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水道水水質基準について
 水質基準は、水道水の安全性を確保し、清浄な水をお客様のもとへお届けできるよう、水道法によって定められているものです。
 水質基準に関する省令は、昭和33年7月16日厚生省令第23号で初めて制定されました。 このころは、水源がきれいで化学物質の使用も少なく、水系伝染病の原因となる病原性生物や、 水銀・シアンなど重い健康障害をひきおこす項目に重点が置かれていました。 以後、昭和35年、昭和41年、昭和53年と改正されていますが、その内容は、最初の基準と実質的にほとんど変わっていません。
 近年、水道をとりまく環境は大きく変わりました。 科学技術の進歩により、様々な化学物質が身近で使用されるようになり、水道水もそれらとは無縁とはいえない状況です。 また、人々の水道水へのニーズも多様化かつ厳しいものとなっています。
 これらに的確に対応し、将来にわたって信頼できる安全でおいしい水道水を供給するために、 平成 4年12月、水質基準に関する省令の大幅な改正が行われ、新しい水質基準が翌年12月より施行となりました。
 基準の項目及び基準値は、 WHO(世界保健機関)などの検討対象項目を参考に、健康影響などに関する知見、 諸外国の基準などの設定状況、検査技術などを総合的に踏まえて設定されています。
 新水質基準は、29項目の「健康に関連する項目」と、17項目の「水道水が有すべき性状に関連する項目」の、 計46項目が定められています。
健康に関連する項目
 生涯にわたって水道水を飲用しても、人の健康に影響を与えない水準をもとに、 さらに安全率を加味して基準値が設定されています。

水道水が有すべき性状に関連する項目
 水道水を生活用水として利用するのに支障のない(色、濁り、味、臭いなど)、 あるいは、水道施設に対して障害を生ずるおそれのない(腐食など)水準として、設定されたものです。

【参考】基準における人への健康影響の考え方
 水質基準の項目や基準値は、 WHO(世界保健機関)などが飲料水の水質基準設定に当たって採用している方法を基本とし、 我が国における当該項目の水道水源、給水栓水などからの検出状況を総合的に勘案して設定されました。
 水道水以外の、食物や空気など他の暴露源からの寄与も考慮し、生涯にわたる連続的な摂取をしても、 人の健康に影響が生じない水準をもとに安全性を十分に考慮して評価を行っています。
 人の健康への影響としては、
急性毒性(一時的に多量に摂取することによる障害)

慢性毒性(長期間摂取することによりしだいに現れる障害)

発ガンの危険性

などが挙げられます。
 これらについては動物実験が行われており、その結果に基づいて、各物質ごとの一日許容摂取量(ADI)が定められています。 このADIをもとに、
体重50Kgの成人が

1日2リットルの水を

摂取するとし、全摂取量における水道水の割合がどのくらいであるのかということも考えあわせて、 水道水の許容濃度が求められます。

EPA(米国環境保護局)による発ガン可能性による化合物の分類
グループ 分  類  基  準
A  ヒトに対する発ガン物質
 曝露とガンの因果関係を示す十分な疫学的証拠のあるもの
 ヒトに対して、発ガン性物質である可能性の高い物質
B  疫学的に限られた証拠のあるもの(グループB1)
 及びまたは 動物試験において十分な証拠のあるもの(グループB2)
 ヒトに対して、発ガン性物質の可能性がある物質
C  動物試験における限られたまたは不明確な証拠があるがヒトについてのデータは不十分またはないもの
 ヒトに対する発ガン性に対して分類できない物質
D  発ガン性に関するヒト及び動物についての証拠が不十分またはないもの
 ヒトに対する非発ガン性物質
E  異種動物による少なくとも 2つの十分な動物試験
 または十分な疫学的及び動物試験で発ガン性の証拠がないもの

【水質基準表】基準項目「健康に関連する項目」
項     目 基 準 値 区 分 自然水中 影響要因 備   考 (用途など)
1. 一般細菌 集落数100/mリットル以下 病原性生物の指標 広く存在 し尿、畜産排水、下水 環境中に普通に存在します。著しく増加した場合、病原性生物に汚染されている疑いがあります。塩素で死滅するので、水道水中にはまず存在しません。
2. 大腸菌群 検出されないこと
3. カドミウム 0.01mg/リットル以下 無機物質・重金属 ほとんど無 鉱山・工場排水 イタイイタイ病の原因物質。
4. 水銀 0.0005mg/リットル以下 ほとんど無 工場排水、下水、農薬 急性毒性の強い物質です。有機水銀化合物は、水俣病の原因物質。
5. セレン 0.01mg/リットル以下 ほとんど無 鉱山・工場排水 人体の微量必須元素。1mg/日が毒性の臨界量。
6. 0.05mg/リットル以下 地質により存在する 鉱山・工場排水・給水管(鉛管) 千歳市では、鉛管は現在使用されていません。
7. ヒ素 0.01mg/リットル以下 微量ながら広範囲に分布 鉱山排水、農薬、火山性温泉 無害な有機体の形で、食品にも含まれています。一般的な日本人で0.126mg/日のヒ素摂取。
8. 六価クロム 0.05mg/リットル以下 ほとんど無 鉱山・工場排水 メッキ廃水による土壌や地下水の汚染例。クロムは人体の微量必須元素ですが六価クロムは有毒。
9. シアン 0.01mg/リットル以下 ほとんど無 鉱山・工場排水 急性毒性の強い物質です。シアン化カリウムは青酸カリとして知られています
10. 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 10mg/リットル以下 広く存在 肥料、生活排水、腐敗動植物 高濃度に含まれると、乳幼児にメトヘモグロビン血症(チアノーゼ症)を起こすことがあります。
11. フッ素 0.8mg/リットル以下 広く存在 工場排水 適量摂取で虫歯予防、高濃度では斑状歯症状。
12. 四塩化炭素 0.002mg/リットル以下 一般有機・化学物質 ほとんど無 これらを使用する事業所・工場などの貯蔵施設・廃棄物処理施設・排水溝などからの漏出 いずれの物質も揮発性で、地表水(河川水など)を汚染しても比較的容易に大気中に揮散しますが、土壌を浸透し地下水を汚染すると、地下に安定な形で閉じこめられる形となり、長期にわたって汚染が継続します。 フロンガス原料
13. 1、2-ジクロロエタン 00.004mg/リットル以下 樹脂原料
14. 1、1-ジクロロエチレン 0.02mg/リットル以下 樹脂原料
15. ジクロロメタン 0.02mg/リットル以下 抽出剤、塗料
16. シス-1、2-ジクロロエチレン 0.04mg/リットル以下 樹脂原料、香料
17. テトラクロロエチレン 0.01mg/リットル以下 ドライクリーニング
18. 1、1、2-トリクロロエタン 0.006mg/リットル以下 樹脂原料
19. トリクロロエチレン 0.03mg/リットル以下 金属脱脂洗浄
20. ベンゼン 0.01mg/リットル以下 染料、合成ゴム
21. クロロホルム 0.06mg/リットル以下 消 毒・副生成物 浄水処理工程における塩素処理 水道水を塩素消毒することによって、水中の有機物と塩素が反応して生成するものです。クロロホルムなど4物質の量の総和が総トリハロメタンです。発ガン性を考慮して決められた初めての水質項目。
22. ジブロモクロロメタン 0.1mg/リットル以下
23. ブロモジクロロメタン 0.03mg/リットル以下
24. ブロモホルム 0.09mg/リットル以下
25. 総トリハロメタン 0.1mg/リットル以下
26. 1、3-ジクロロプロペン(D-D) 0.002mg/リットル以下 農 薬 農業排水、降雨などによる農地からの流出水・浸出水 土壌線虫殺虫剤。揮発性が高い。野菜、林業など。
27. シマジン(CAT) 0.003mg/リットル以下 トリアジン系除草剤。野菜、果樹、芝生など。
28. チウラム 0.006mg/リットル以下 土壌処理殺菌剤。水稲、野菜、果樹、芝生など。
29. チオベンカルブ 0.02mg/リットル以下 チオカーバメート系除草剤。水稲、野菜、林業など。

【水質基準表】基準項目「水道水が有すべき性状に関連する項目」
項     目 基 準 値 区 分 自然水中 影響要因 備   考 (用途など)
30. 亜鉛 1.0mg/リットル以下 ほとんど無 鉱山・工場排水、給水管(亜鉛メッキ鋼管) 溶出亜鉛濃度が1mg/リットルを超えると、白濁したり、お茶の味が悪くなったりします。人体の必須元素。
31. 0.3mg/リットル以下 広く存在 鉱山・工場排水、給水管(亜鉛メッキ鋼管等) 多量に含まれると赤水となり、色、濁り、金属臭味がつき、布地などを着色します。人体の必須元素。
32. 1.0mg/リットル以下 微量ながら広範囲に分布 鉱山・工場排水、農薬、給水管(銅管) 多量に含まれると金属味。微量でもアルミ製容器などの腐食の原因に。人体の微量必須元素。
33. ナトリウム 200mg/リットル以下 味 覚 広く存在 海水、工場排水、浄水処理工程 食物から食塩の形で10〜15g/日の摂取があります。多量に含むと味覚を損ないます。人体の必須元素。
34. マンガン 0.05mg/リットル以下 広く存在 鉱山・工場排水 黒水の原因となります。人体の微量必須元素。
35. 塩素イオン 200mg/リットル以下 味 覚 広く存在 工場排水、下水、海水、浄水処理 多量に含まれると味覚を損ないます(塩からい)。塩素イオン自体の毒性は確認されていません。
36. カルシウム、マグネシウム等(硬度) 300mg/リットル以下 広く存在 工場排水、下水、海水、浄水処理 高濃度で味覚を損ない(渋味)、石鹸の泡立ちを阻害します。少ないとコクのない味がします。
37. 蒸発残留物 500mg/リットル以下 広く存在 工場排水、下水 無機塩類分です。適量で味にまろやかさ。
38. 陰イオン界面活性剤 0.2mg/リットル以下 発 泡 ほとんど無 家庭雑排水、下水 0.5〜1 mg/リットルで泡立ちが生じるとされています。
39. 1、1、1-トリクロロエタン 0.3mg/リットル以下 におい ほとんど無 工場排水 高濃度で異臭味の原因となります。毒性は低い。
40. フェノール類 0.005mg/リットル以下 ほとんど無 工場排水、アスファルト舗装 微量でも消毒用塩素と反応してクロロフェノールを生成し、水道水に異臭味を与えます。
41. 有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) 10mg/リットル以下 味 覚 広く存在 工場排水、下水、し尿 有機物汚染の度合いを示すもので、多すぎると渋味を与えます。
42. pH値 5.8以上8.6以下 基礎的性状 通常中性 藻類繁殖、浄水処理過程 pH7付近が中性。酸性では金属の腐食、アルカリ性ではヌルヌルしたり、トリハロメタン量増加も。
43. 異常でないこと 工場排水、海水、藻類繁殖、給水管 味に影響を与えるとして、基準などが設定されている項目があります(硬度、蒸発残留物など)。
44. 臭気 異常でないこと 工場排水、下水、藻類繁殖、給水管 残留塩素による塩素臭は異常ではありません。
45. 色度 5度以下 基準値内であれば、無色な水といえます。
46. 濁度 2度以下 基準値内であれば、透明な水といえます。

(c)2003,千歳市水道局