| 1996年11月 (059〜063回) |
雪虫が“冬の宿”へ 新顔スネークヘッド
ついに初雪が降りました。10月22日に雪虫を見つけ、「そろそろかな」と思ってはいたのですが、見事4日後に雪となったのです。北海道の晩秋の風物詩になっているこの雪虫ですが、その正体をご存じの方は意外と少ないのではないでしょうか?実は「トドノネオオワタムシ」というアブラムシの仲間なのです。
トドノネオオワタムシは、夏はトドマツ、冬はヤチダモの木で生活します。いわゆる雪虫は、夏の宿であるトドマツから、冬の宿のヤチダモへと移動している姿なのです。この時、体に白い分泌物を付けるため、ふわふわと舞う雪のような姿になるのです。
冬の到来を告げ、白い衣をまとって雪のように変化するこの昆虫には、やはりトドノネオオワタムシより、「雪虫」の名がふさわしいような気がします。
【館内情報】
さて、このへんで魚の話に戻します。千歳川水槽へ、新たに45cmほどのカムルチー(ライギョ)を2匹展示しました。石狩川で捕獲されたのですが、英名は“スネークヘッド”。その名のとおりヘビにそっくりな顔をしています。朝鮮半島からやってきた外来種ですが、今では日本各地に分布しています。見た目のとおり性格はいたって獰猛。うっかり手など入れると人にすらかみつくことがあるようです。しかし調べてみるとこの魚、空気呼吸をしたり泡巣をつくって産卵したりと、なかなか興味深い性質の持ち主なのです。ふるさと館も休館までいよいよあと1ヶ月。その前にぜひご覧下さい。
(学芸員 菊池 基弘)
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ミニ水槽から脱走 モクズガニは常習犯
紅葉が終わり、インディアン水車公園内の木々は、すっかり葉が落ちてしまいました。夕方4時を過ぎると随分暗くなり、日が短くなったなあと実感します。
昨年の11月は大きなアメマスやニジマスがいましたが、今年もその姿を見かけるようになりました。大きさは20〜30cm、ウグイに混ざって泳いでいますが、体つきですぐ分かります。
これから冬に向かって水温が下がっていくと、見える魚の数や種類がだんだん少なくなってきます。そういう中で、1種類でも多くの魚たちを見つけるのが、私の楽しみの1つです。
【館内情報】
今回は主に私が担当しているミニ水槽より、モクズガニのお話です。
展示しているモクズガニは、いつも底にじっとしているように見えますが、実は脱走の常習犯です。排水パイプを伝って水槽の壁を上手に登り、ふたと水槽の間に足をかけてふたを持ち上げ、軽々と逃げ出します。
初めて脱走したときの発見場所は、何とサーモンムービーの部屋で、みんなびっくりです。あと少し発見が遅かったら、きっと干からびていたことでしょう。そんなことがあって、ふたに石を1つ乗せました。しかし、さすがモクズガニは力持ち、その後同じ方法でふたを持ち上げ、2回も脱走したのです。
現在はふたの上に板を、さらに石を3つ乗せているため、おとなしくしています。しかし、じっとしながら脱走の機会をうかがっているのかもしれません。
(学芸員 荒金 利佳)
魚たちが腹ごしらえ 冬支度に懸命
寒さが一段と厳しくなってきました。千歳川の水温はついに8℃をわり、観察窓であれほど勢力を誇っていたウグイも、心なしか少なくなってきたような気がします。今年は大きな群でくることが少なかったサケはすっかり影を潜めてしまい、窓に姿を現すのはせいぜい2、3匹といった状態になっています。
ウグイなどのように水温が低下すると中流域から姿を消す魚がいる一方で、中流域に行動範囲を広げる魚がいます。この種の魚が今、観察窓に勢力を拡大し始めました。先週も書きましたが、ニジマスやアメマスは、この時期最もよく観察できます。水温が高い間姿を消していたイトヨも再びやってきています。ハナカジカはこの時期、今まで以上に姿を現すようになり、ヤマメも数が増えてきています。どの魚も冬に備え、懸命にエサを食べる姿が印象的です。
【館内情報】
11月9日に、ふるさと館体験教室「魚を調べよう」を行いました。解剖実習もまじえて、魚の体の仕組みについて学習しました。たった4名の参加者だったのですが、皆熱心に魚種による体つきや内臓の違いなどを観察しました。
次の体験教室は23日、「サケをふ化しよう」を行います。この日は、実際にサケの採卵、受精を行います。新しい命を生み出す感動を、ぜひ体験してみて下さい。対象は小学校5年生から中学校3年生、定員は20名です。お申し込み、お問い合わせはサケのふるさと館までお願いします。みなさんの参加をお待ちしています。
(学芸員 菊池 基弘)
つらい冬の観察窓清掃 ロボットの導入で緩和
千歳川に白鳥が姿をあらわし、いよいよ本格的な冬の到来となりました。ふるさと館の過酷な作業のひとつに、厳寒の千歳川に潜水して観察窓を清掃するという作業があります。
12月半ばを過ぎると、川の水温は2℃から4℃。潜水後すぐ頭に「キーン」とくる痛みが走ります。ちょうど夏にあわててかき氷を食べたときになるあの痛みです。しばらく我慢すると、今度は猛烈な吐き気におそわれます。それも我慢し、清掃作業は続きます。一瞬「体が慣れたかな」と思うのもつかの間、手に徐々に冷たさの痛みが走ってきます。痛みはますます強くなり、指が動かなくなります。清掃作業のピッチがあがります。2名で作業時間30分。限界の時間です。
そんな清掃作業を緩和すべく強力な助っ人が現れました。観察窓清掃ロボット「サモン君1号」。開発局さんの秘密兵器でもあります。10月中旬から毎週金曜日に働いてもらっています。ただ、完璧にきれいにはならず、仕上げは人手になります。それでも、月4回の作業が2回になり、作業時間の大幅な短縮になりました。
しかし、残念ながらこのロボット、レールにちょっとした枯れ葉があっただけでも動かないわがままもの。これから雪の季節になります。ロボットが作業する前には移動箇所の完全な除雪とレールの完全な乾燥が仕事となります。
「厳寒期ぐらい人間がやるとするか」そんなことを思う今日このごろです。
(主任学芸員 遊佐 清明)
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話題多かったこの1年 あすから1月20日まで休館
明日で11月が終わります。そしてサケのふるさと館も今年の開館が終わり、12月1日から来年1月20日まで休館となります。
今年は、昨年より多くのみなさまにご来館いただきました。6月には皇太子殿下、雅子様のご来館、9月には入館者が50万人目を迎えたりと、話題のある年だったと思います。
つい先日、千歳川観察窓では30種類目の魚を観察できました。サケとともに千歳市の魚に認定された、ヒメマスです。「なんでヒメマスが千歳川に?」と不思議に思いましたが、支笏湖から千歳川上流部のダムを運良くすり抜けて下りてくるヒメマスがいるという話を聞きました。
観察されたヒメマスはメスで、赤い婚姻色をもっていました。広い千歳川、偶然にもヒメマスを見ることができて、うれしく思います。
【館内情報】
今月23日、学習会「サケをふ化しよう」で採卵の体験学習を行いましたが、サケの産卵時期もそろそろ終わりに近づこうとしています。
千歳川観察窓の前では、昨年に引き続きサケの自然産卵が見られました。本来サケは地下水のわき出るところで産卵し、千歳川の自然産卵場所もここより上流部になります。
しかし、我慢できなくなったサケが産卵してしまう場合もあるようです。
産卵床は、表面のコケがとれてきれいになり、その辺りをホッチャレのメスがとどまっています。まるで卵を守っているかのようで、とても印象的でした。
(学芸員 荒金 利佳)
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