新長期総合計画基本構想 計画の策定にあたって

第2章 新たなまちづくりを考える

3.まちづくりの課題

 

時代潮流や地域の現状、市民意向などから、千歳市の新たなまちづくりへの課題を次のように集約することができます。

(1)豊かな自然の恵みを享受する環境共生社会の創造

市内には、支笏湖や千歳川など豊かで貴重な自然が数多く残っています。千歳市にとって、これらの自然は市民にうるおいや安らぎをもたらす大切な財産であり、市民アンケートにおいても「豊かな自然」がまちづくりのキーワードとして第1位にあげられています。国内外において環境問題への取り組みが重視されるなか、地球環境をも視野に入れながら環境に対する市民意識の高揚を図り、人と自然とが共生する環境共生型社会への取り組みを具体的に進めていくことが必要です。また、千歳市は国内でも有数の自衛隊駐屯地や基地を有する都市であることから、これまでの実績をふまえ防衛施設の設置・運用に伴う各種障害の解消や緩和を図るなど、自衛隊との共存をめざしたまちづくりを進めていく必要があります。

  • 市内の優れた自然環境の保全と、地球環境をも視野に入れた環境共生型社会への取り組み
  • 自然のうるおいを取り入れた快適で安全な生活環境、余暇空間の整備と魅力ある景観形成
  • 防衛施設の設置・運用に伴う諸障害の解消や緩和

 (2)ゆとりと生きがいを実感できる人間尊重社会の創造

千歳市は年齢構成が他市町村に比べて比較的若く出生率も高い状況にありますが、近年の少子・高齢化の波は着実に進んでいます。子どもから高齢者に至るまで、だれもが安心感やゆとりを持ちながら暮らせる環境づくりを進めていくことが必要です。
また、性別や年齢、ライフスタイルなどが異なる市民一人ひとりが、それぞれの多様な個性と価値観をお互いに尊重し生かしていける社会をめざしていく必要があります。特に次代を担う青少年に対しては、家庭、学校、地域社会でのさまざまな体験を通じて「豊かな心」と「生きる力」を育んでいくことが課題となっています。
さらに、主体的な活動によって生きがいや精神的な満足感を高めていく生涯学習の視点をまちづくり全体に向け、学習の成果が市民生活の向上やまちづくりの各分野に生かされるよう努める必要があります。

  • 誰もが安心して生活できる、少子・高齢化時代にふさわしい保健・医療・福祉の充実
  • 生命と人格、個性を尊重し、多様な価値観を認めあう、人権尊重・自主性重視社会の創造
  • 次代を担う青少年の健全な育成と生涯学習の視点に立った教育文化の振興、地域文化の創造

 

 

(3)ゆとりと生きがいを実感できる高度産業社会の創造

千歳市は空港をはじめとして優れた交通条件などを背景に工業団地の造成を進めており、多種多様な産業が集積しています。今後も光科学技術の研究開発拠点をめざした「ホトニクスバレープロジェクト」の推進をはじめ、高度技術産業やそれらに関連する研究機関の誘致を進めるとともに、恵まれた産業基盤を生かした新産業の創出が期待されています。そのほか物流関連産業や観光関連産業についても、交通機関との連携や協力を深めながらさらなる発展を進めていくことが必要です。
一方、商業では消費者ニーズの多様化やモータリゼーションの進展などから、商業形態が大きく変化するとともに中心市街地の空洞化が進行しており、ハード・ソフト両面にわたる活性化対策を促進し、魅力ある商店街づくりを進めていくことが必要です。
さらに農業については、自然、立地などの諸条件や高度技術を効果的に活用した収益性の高い健全な経営の確立とともに、千歳川放水路計画の中止により影響を受けたルート上の地区に対する地域振興の推進が課題となっています。

  • 試験研究機能の集積と、これらを基盤とした高度技術産業の振興、産業創出
  • 24時間型の国際空港機能と結びついた物流関連産業や観光関連産業の育成
  • 商業振興体制の確立と中心市街地の活性化
  • 自然、立地条件および高度技術を活用した特色ある高収益型農業の育成
  • 中止となった千歳川放水路計画のルート上の地区における地域振興の推進

 

(4)交通・情報基盤を生かした心の通う国際交流社会の創造

新千歳空港の24時間運用が可能となり、空を通じて人や物の動きが容易となりました。今後も空港の利用度は高まることが予想され、これに対応した体制の充実が必要です。それとともに、さまざまな交通機関で形成されている市内の交通ネットワークの利便性を総合的に高めていくため、相互のアクセスをより向上していくことが重要です。また、急速に進展する情報化社会に対応すべく、情報基盤の充実や受発信機能の強化などを各分野において進めていくことも必要です。
さらに、多様な分野で国内外とのさまざまな交流が活発に行われるようになった今日、交流を円滑化するための環境づくりや各種活動を推進し、地域の活性化や交流人口の拡大を図るとともに、国際社会に積極的に貢献していくことが求められています

  • 24時間型の国際空港都市としての機能の整備
  • 空港や高速道路と機能的にアクセスする安全で便利な交通体系の整備
  • 市内外を結ぶ情報通信ネットワークの充実と情報受発信機能の強化
  • 国内外との多様な交流ネットワークの形成と交流活動の推進


(5)地方分権時代にふさわしい誇りある自立協働社会の創造

地方分権の進展により国や北海道からの権限委譲が進み、各地域の自己決定権と自己責任が拡大するなか、新たな地方自治運営のあり方が問われ、それによって住民が住む地域を(10)ぶ時代になりつつあります。千歳市はこれまで着実に人口増加が進んでいますが、これからの都市間競争に対応していくためにも、千歳市としての顔づくりやイメージの向上に努め、市民や来訪者が千歳市の良さを実感できるまちづくりを進めていくことが必要です。このため、市民と行政との連携・協力をより一層深め、市民の意思が尊重され、主体的に参加するまちづくりや効果的な行政運営を進めていくことが課題となっています。
また、地方自治体間の連携についても近隣市町村にとどまらず、自治体の枠を越えた多面的な連携を進め、新たな体制や事業の推進を考えていくことが必要です。

  • 地域アイデンティティの明確化と、市民が誇りを持ち、対外的にも認知される良好な地域イメージの構築
  • 市民意識、相互連帯意識の高揚と市民主導のまちづくりの推進
  • 市民と行政、地方自治体同士の新たな相互連携体制(パートナーシップ)の構築
  • 地方分権に対応する行政運営の推進