市町村合併スペシャル! 未来はあなたの手に
とき:平成14年11月6日(水曜日) 18時30分開演~20時30分終了
ところ:千歳市民文化センター 大ホール (千歳市北栄2丁目 0123-26-1151)
第1部 基調講演
北海学園大学法学部教授 横山純一 氏
「地方分権と市町村の未来~将来の千歳市のまちづくりを考える~」
第2部 パネルディスカッション
【コーディネーター】
小磯修二 氏(釧路公立大学地域経済研究センター長)
【パネリスト】
横山純一 氏(北海学園大学教授)、佐々木義朗 氏(千歳青年会議所副理事長)、平子博 氏(北海道総合企画部地域振興室市町村課参事)、東川孝(千歳市長)
主催:千歳市
当日参加者数:約400名
基調講演の要旨
- 合併が進んでいる地域の市町村を調べてみると、(1)結びつきがもともと強い、(2)面積が大変小さい、(3)実際に様々な受委託関係や広域連携が非常に密接に行われている。また、合併にあたっては相当時間をかけて議論が行われている。
- 平成17年3月(合併特例法の最終期限)に合わせて合併を進めるというのは、まちづくりを考えるた場合本末転倒。
- 合併は、1度したらなかなか離れられないのでリスクが大きすぎる。少なくとも5年、6年議論した後であれば別だが、あと半年でなんとかするというのはあまりにも難しい。
- 財政が厳しいから、少子高齢化が進んでいるから合併しか道がない、ということは絶対ない。
- 合併のメリットとしてあげられる行政の効率化などは、広域で取り組んでも同じような効果が得られる。ただ、北海道の場合は 、本州の自治体と比べて合併しても効率化が得にくい。
- デメリットで一番言われているのは、小さい自治体は大きい自治体と合併すると議員の数が減り、小さい地域に投資が回ってこないという問題。これは地域審議会の設置によって防げる言われているが、実際には非常に難しい。
- 合併の優遇措置である交付税の合算特例の内容について、かなり誤解されている。例えばAとBとCという自治体が合併してDになったときに、それまでのA、B、Cの交付税額が10年間全額保障されることはまずありえない。
- 合併特例債は、合併をした場合に、新市町村建設計画に盛り込んだ事業についてお得な借金ができるというもの。しかし、合併特例債目当ての合併だけはしてほしくない。合併した市町村は、10年後に破産してしまうのではないかとさえ思える。
- 地方交付税は、10年後には2割から2割5分くらい減る。そのときに、どういうまちづくりができるか考える必要がある。
- 合併した市町村と合併しない市町村の15年後の姿を考えると、恐らく間違いなく合併した市町村は交付税が4割から5割ぐらいに減っていると思う。合併しない方が減らないと思う。
- これから合併するにせよしないにせよ、やはり財政は厳しくなる。そのときに、住民サービスを落とさない努力が可能かどうか是非考えていただきたい。国は縦割りでも自治体は横割りでやっていくことで、住民サービスを落とさないことができるのでは。
- これから住民との協働が本当に必要になる。合併の議論というのは、今までの縦割り行政をあらためて考え直すチャンスでもある。住民からすれば、役所の仕事と住民活動との関係をあらためて新しい形で構築していくチャンスでもある。
- 北海道で唯一明るい展望の合併があるとしたら、苫小牧市と千歳市が合併することだと考えている。大消費都市である札幌市があるのに対して、生産流通の拠点都市があってもいいのではないかと思う。
パネルディスカッションの要旨
【小磯修二 氏】
市町村合併について、議論は起こっているが、具体的な取り組みの形が見えない。北海道の場合は、市町村の面積が広いということもある。これから市町村合併について向き合っていくと同時に、まちづくりをどう進めていけばいいのか考える必要がある。そういう意味で、市町村合併の議論の中で、あらためて自分たちの市町村を考える意味がある。
【東川孝】
合併問題には大きな流れが3つある。明治時代の大合併、昭和の大合併、今回の合併ということで、それぞれ行政上の目的があって進められている。今回の合併も、効率的な行政展開が目的ということから、それなりに必要性があるということは認識している。
しかし、今回は財政面が前面に出ており、交付税などの支援措置というアメ玉を用意して、期限を限って迫るやり方はいかがなものか。しかも、肝心の税源移譲が先送りされている中での合併論理というのは、大いに疑問を感じる。合併はあくまでも自主的に行うべきもの。したがって、市民と一緒に考えていく必要がある。
それと、合併しない場合はどうなるのか全く示されていない。そういう点で、首長として悩みはあるが、何らかの形で決断をしなければならないと考えている。
【佐々木義朗 氏】
千歳青年会議所の立場は、今一つ合併に危機感を感じていない。それよりまず広域的な連携を行おう、隣同士のまちが共通意識を持って取り組むことが必要だろうということである。
しかし、合併は少子高齢化時代に向けて必要不可欠なので、デメリットをつぶしながら何とかメリットを増やしていかなければならない。共通するメリットを多くピックアップすれば、その解決にもつながる。
ただ、各市町村が持つプライド、自分のまちの歴史や文化を人のまちに邪魔されたくないというごく単純な発想が合併を邪魔していると思う。
【平子博 氏】
合併は、市町村の区域と日常生活圏の区域のずれの解消、地方分権社会への対応、財政危機への対応の手段であり、コストが安く質の高いサービスを生み出すためもの。規模を拡大することで直ちに足腰が強くなるわけではないが、市町村自らが、政策能力の向上や人材育成など様々な面で内部の改革を進めることが必要。住民生活に密接に深く関わることなので、市町村と住民が十分に議論の上、地域リーダーに考えていただきたい。
千歳市では恵庭市、由仁町、長沼町、早来町、追分町と合併の研究会を行っているが、この6団体で合併した場合は約18万人となるので、個人的にはここに苫小牧市を入れて検討してはどうかと思う。そうすると30万人を超え中核市になる。
しかし、一番効果が大きいのは、製造出荷額が全道一になり、流通、生産の拠点都市として国内はもとより海外に対抗できる都市になることである。
【横山純一 氏】
市町村の領域と日常生活圏がピッタリ合っている国はまずない。財政の問題も、広域でも工夫すればコストの削減はできる。広域連携で乗り切る方法もある。
苫小牧市との合併の話は、唯一成果が上がり得る地域だろうという意味で言った。将来的な議論をしながら、むしろそれも民の力で行ったらいいということである。
基本的には、全道的に広域での取り組みを強める必要がある。道が入った広域連合を考えたらいい。それと支庁制度改革が結びつく。
それから、地方分権の流れが相当後退していると感じる。東京では、税源移譲をしなくても地方には十分地方税を分配している、これからは、事務を国へ移譲して地方の財政を小さくまとめたらよい、というような議論が出てきている。このような、分権の受け皿としての広域自治体の議論とは全然性格の違う新中央集権的な話が、今の合併論の中でもかなり出てきていることを非常に懸念している。
【東川孝】
合併の課題の1つには、まず面積が広いということがある。それから、日常生活圏が一体化しているかどうか。そして、合併しない場合はどうなるのかわからないということである。
【佐々木義朗 氏】
個人的な意見だが、苫小牧との合併については、この圏域で全国あるいは世界を市場としたビッグトランスシティーを形成できるということ。もう1つは、千歳・苫小牧という圏域ができることで、十勝圏や網走圏、あるいは函館・青森という圏域がエリアとして活性化し、それぞれの役割が明確になること。それと、国立公園支笏湖は千歳の負担だけではなく共有財産として、千歳と苫小牧で活性化していけばいい。
【平子博 氏】
合併しない場合は、既存の制度で考えるしかない。今の活気をうまく生かした形で、将来のまちづくりを考えていただきたい。合併ありきではなく、まちづくりの1つの手立てとして合併を考えていただきたいと考えている。複数の市町村でいろいろ検討して、その結果を住民に情報提供して共に検討していただきたい。できれば合併協議会なり任意の協議会を作って検討していただきたい。いずれにしても、悔いを残さないよう合併の検討を行ってほしい。
【横山純一 氏】
非常に時間のない中で法定協議会といっても、非常にリスクが大きい。例えば千歳市の場合、2市4町のほかに苫小牧という道もあり、合併しないという道もある。その中で法定協議会ということになると、住民との議論はほとんどできない。
だから、今短期的に選択をするより、中長期的にどうしていくかということを住民と議論していく。そして、小さい自治体と広域で取り組めるものは取り組むとか、そういうメリハリをつけたらいい。
財政の都合による合併は一番まずい。それから、合併は民間の人たちが相当声を上げなければできない。やはり、これから先のまちづくりをどのように展望するかという議論をこれからも継続的にやる方が、千歳市にとってはるかに意味がある。
講演録(全文)は、以下をクリック
会場アンケートの結果
会場にて調査票を配布、終了時に回収しました(回収率:79.5%)。
「合併した方がよい」、「どちらかといえば合併した方がよい」との回答は35.7%、
「どちらかといえば合併しない方がよい」、「合併しない方がよい」との回答は48.6%でした。
- 合併した方がよい:18.4%
- どちらかといえば合併した方がよい:17.3%
- どちらかといえば合併しない方がよい:29.2%
- 合併しない方がよい:19.4%
- わからない:13.3%
- 無回答:2.4%




