(はじめに)

 平成18年第1回定例市議会の開会にあたりまして、市政執行に対する私の所信を申し上げます。

 平成15年4月に第6代千歳市長に就任して2年10か月、私は、「ふるさと千歳」の発展とかけがえのない子どもたちの未来のため、千歳の地域資源を最大限に活かした「活力が循環する都市(まち)」の構築に向けた取り組みを進めるとともに、各分野で市民の皆さんと課題や作業を共有し、協力しながら市政を進める「市民主体・市民協働の都市経営」の確立に取り組んでまいりました。
 この間、逼迫した財政状況に直面し、この健全化を目指して、徹底した行財政改革に取り組むとともに、歳出の削減・効率化を進めるなど、市民並びに議員各位のご協力のもと勇断をもって市政を進めてまいりました。
 今後も、流動する内外の諸情勢に柔軟に対応して、千歳の未来を確かなものにするため、民間の良い部分を行政に積極的に取り入れるなど、市民の皆さんと一緒に智恵と勇気を持って信頼される行政運営に取り組んでまいります。

 さて、国際社会においては、テロとの闘い、貧困の克服、感染症対策など様々な課題が山積しておりますが、同時に日本に対する期待とその果たすべき役割も大きいものがあります。今後も国際社会の一員として、世界の平和と安定に寄与する取り組みに期待するところであります。

 世界の景気については、アメリカ、中国、台湾等で拡大しており、ユーロ圏においても、緩やかに回復しているなど、景気は着実に回復しているとの見方がなされております。
 国内に目を転じれば、我が国の経済は、「景気は、回復しており、先行きについては、企業部門の好調さが家計部門へ波及し、国内民間需要に支えられた景気回復が続く」と見込まれております。一方、北海道においては、停滞が続いていた個人消費に持ち直しの兆しが出てきたほか、生産も「足踏み状態」から転じて、「緩やかに上昇している」との見方がなされておりますが、原油価格の高騰が市民生活や企業活動を直撃し、経済への影響も懸念されることから、早期の価格安定を願うものであります。

 こうした中で、国は「国から地方へ」の方針のもと、国と地方の税財源のあり方を見直す「三位一体の改革」による3兆円の税源移譲、地方交付税の見直し、4兆7,000億円の補助金改革を実施するとしております。
 このような改革の動きは、地方分権型の新しい行政システムを構築するものとされておりますが、地方自治体の自己決定権が拡大し、知恵と工夫に富んだ施策の展開が可能となり、住民本位の自主性と自立性の高い地域づくりを行うためには、国から地方自治体への権限と財源の移譲が何より求められるところであり、今後も真の地方の時代の実現に向け、この課題に取り組んでまいります。
 
 (市政運営の基本姿勢)

 ここで、今後の市政運営に臨む基本姿勢について申し上げます。

 まず、第1に、『市民主体、市民協働の都市経営の推進』であります。

 いよいよ日本の人口減少が現実のものとなり、かつては、想像もしなかった少子高齢社会が本格化する中、国民の生活意識や価値観の変化、多様化への対応や、地域生活における、心の豊かさや生きがいを重視した、行政サービスの提供や市民活動、コミュニティのあり方が、真に問われる時代となっております。
 これら成熟社会の課題を乗り越えていくためには、財源の面からも手法の面からも、行政のみがその先頭に立っていくということには、もはや限界があります。今後は、町内会や団体、ボランティアやNPOなど、市民の皆さんの持てる「知力」や「能力」といった「市民力」を、いかに発揮していただくか、いかに手を携えていけるかが、今後のまちづくりの大きな鍵になるものと考えております。
 私は、市民の皆さんと共に、この課題に正面から取り組み、協力しながら市政を進める「市民主体、市民協働の都市経営」を推進してまいります。

 第2に、『公平・公正、開かれた市政の推進』であります。

 私は、市民の立場に立った「公平・公正な市政」の推進、情報公開や資産公開などによる「市政の透明化」を基本におきながら、「市長の出前講座」や市のホームページの「市長の部屋」を通じて、私の行動記録や交際費の支出状況を公開するとともに、市政の現状や課題をはじめ、市政運営に対する私の考え方を多くの市民の皆さんにお伝えしてまいりました。
 特に、市民の皆さんのご理解とご協力がなければ、進めることの出来ないゴミの有料化を含めた循環型社会の形成や、公共施設の使用料の見直しなど、受益と負担のあり方などについては、市民に対する丁寧な説明と対話を実施し、理解と協力をお願いいたしました。 
 今後も市政情報の積極的な公開に努めるとともに、様々な機会を通じて直接市民の皆さんに市政の現状や課題をお話ししてまいります。
 さらに、「市長相談日」や「市政懇談会」、「市長への手紙・ポスト」などに寄せられる市民の皆さんの声を市政に反映するとともに、読みやすい、わかりやすい広報紙づくりを目指し、「広報ちとせ」の充実を図るなど「開かれた市政」の推進に努めてまいります。

 第3に、『21☆千歳きらめきプランの推進』であります。

 平成13年度を初年度とする新長期総合計画は、計画期間の前半5か年が経過することから、今日までの社会情勢や財政状況等の変化を踏まえつつ後半5か年を展望するとともに、私の公約につきましても整合を図った中で、主要施策や主要事業等の実施見通しを明らかにしたところであります。
 新年度は、新長期総合計画「21☆千歳きらめきプラン」の後半5か年の着実な推進を目指し、本市がもつ特性や資源、都市基盤などを有効に活かしながら、将来都市像の実現に努めてまいります。

 (重点課題)

 次に、当面する重点課題について申し上げます。

 まず、第1に、『安全・安心の都市(まち)づくり』であります。

 国の「中期防衛力整備計画」に関わる自衛隊削減問題につきましては、隊員家族合わせて約22,000人が居住する本市にとりまして、地域経済はもとより、地域の安定、災害等への対応など、「安全・安心のまち都市づくり」への影響は、大変大きいものがありますことから、国に地域の実情を継続的に訴えていくため、道内自治体で構成する「北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会」の連携を一層強化するとともに自衛隊と共存共栄する都市(まち)づくりを目指してまいります。
 また、児童生徒を犯罪から守るため、警察や学校だけではなくPTAや地域住民とも連携を密にし、各種団体・ボランティア等による通学路のパトロールなど、地域全体で見守る体制づくりを進め、市民の皆さんが安全で安心した暮らしができるよう努めてまいります。

 第2に、『財政の情報公開と健全化の推進』であります。

 私は、一昨年、財政健全化対策に伴う事業の見直しについて、市民懇談会を開催し、直接市民の皆さんに市の財政状況をお伝えするとともに、足腰の強い都市(まち)にしていくことが急務なことから、財政健全化の取り組みの必要性を訴えてまいりました。
 今、国においては様々な構造改革が進められており、社会環境が大きく変わろうとしている中で、千歳の礎をつくってこられた先達の皆さんの歴史・足跡を継承し、次代に引き継いでいくことは、私の責務であると考えております。

 「人は信念と共に若く 疑念と共に老ゆる。人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる。希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる。」これは、サムエル・ウルマンの「青春」という詩の一節であります。

 私は、千歳の未来を確かなものにするため、「信念」をもって財政健全化に取り組み、子供たちが「自信」をもって千歳の未来に夢を描けるよう、「希望」をもって魅力と活力があふれる都市(まち)づくりを目指してまいります。
 また、市民の皆さんに市の財政状況をもっと身近に知っていただき、一緒に考えていただけるよう、引き続き、わかりやすい形での情報公開に努めてまいります。

 第3に、『中心市街地活性化の推進』であります。

 昭和17年に町制が施行されて以来、土地区画整理事業により、中心市街地の主要な街区が形成されるとともに、順次、市街地が拡大してきました。
 現在の中心市街地は、主に千歳川左岸に商業地が形成され、右岸には官公署が位置し、本市の都心の役割をもち、行政、経済、文化、娯楽、都市型居住、交流など、総合的な活動拠点として位置づけられる地区であります。
 近年は、市民の消費行動の変化に対応して、店舗の老朽化や駐車場不足の解消など、利用しやすく快適で魅力ある商業空間の形成が求められている一方、都市化の進展による人口の空洞化に対応して、にぎわい創出のためにも、利便性が高く多様な世代が居住できる中高層住宅などの住宅供給が必要となっております。
 昨年は、長年の懸案でありました「千歳タウンプラザ」のオープンや北海道競馬千歳場外発売所AIBAの開設など、まちのにぎわい創出に向けた明るい兆しが見えてきたところであります。
 新年度は、老朽化が著しいニューサンロードのアーケードの撤去にかかる支援や空き店舗対策事業などの取り組みを進めるとともに、中心市街地における多様な居住ニーズに対応して、住宅マスタープランに基づき、まちなか公営住宅によるにぎわいのある団地形成をめざし、中心市街地の活性化を推進してまいります。

 (重点施策)

 次に、重点施策について申し上げます。

 私は、本市の「特性・優位性・可能性」を踏まえたまちづくりの将来方向を重点施策として掲げ、「人育て・市民協働により活力が循環する都市(まち)づくり」を推進してまいります。
 本年度は、重点施策として26の事業に取り組み、「つどいの広場整備事業」や「防災ハンドブック作成事業」など、5つの事業が完了しております。 
 新年度は、21の継続事業に9事業を新たに加え、30事業を重点施策として取り組んでまいります。

 その施策の第1は、『子育て・教育』であります。

 昨年実施された国勢調査の結果によれば、本市の人口は、前回2000年に比べ2,540人の増となっており、本格的な人口減少時代を迎える中で、道内では数少ない増加都市の一つとなっております。また、合計特殊出生率では、全国平均が1.29、北海道が1.20であるのに対し、本市の出生率は1.53と高く、平均年齢も37.3歳と、全道一若い都市(まち)となっており、大変喜ばしいことと考えております。

 日本の子どもの歴史、特に日本人が愛情を込めて子どもを育ててきた歴史が語られるとき、まず引かれるのは、「万葉集」にある山上憶良(やまのうえのおくら)の「瓜(うり)食(は)めば 子ども思ほゆ 栗(くり)食(は)めば まして偲(しぬ)はゆ いづくより 来たりしものぞ 眼交(まなかひ)に もとな懸(かか)りて 安眠(やすい)し寝(な)さぬ」続く反歌は、「銀(しろがね)も金(くがね)も 玉も 何(なに)せむに 勝(まさ)れる宝 子にしかめやも」という歌であります。
 古来、子どもへの愛情をあらわす語として「子宝」があり、それはこの歌に由来するといわれております。
 民俗学者の柳田国男は、日本各地の伝説を調べたうえで、「日本は昔から、児童が神に愛せられる国でありました。」と書いております。

 私は、時代は変わっても日本人が持っている子に対する情は変わらないものと確信し、安心して子供を生み育て、子育てに喜びを感じることのできる環境の整備を行うことが、私に課せられた重要な取り組みであると考えており、次代の千歳を担っていく子どもたちの豊かな個性と生きる力を育み、地域ぐるみで子どもを健やかに安心して育てられる環境づくりを進めてまいります。
 このため、「母子保健事業」をはじめ、「子育て支援施設整備事業」、「仕事と家庭の両立推進事業」や「教育活性化事業」を実施してまいります。

 第2は、『防災対策』であります。

 地震、火山の噴火、航空機事故等の災害から市民の生命・生活・安全を守るため、本市に所在する自衛隊と連携し、緊急時における協力体制の充実に努めてまいります。
また、学校及び公共施設等の重要な施設について、耐震性の確保に努めるとともに、防災資機材の備蓄の充実と市民の防災意識の高揚を図ってまいります。
 このため、「公共施設耐震化事業」や、「防災拠点整備事業」に加え、新たに都市経営会議からの提言に基づく市民協働のモデル事業として「市民協働防災事業」を実施してまいります。

 第3は、『人材の育成』であります。

 生涯学習などの市民活動や市民協働のまちづくりを推進し、豊かな市民生活や活力ある地域社会を実現するため、市民の自主的な活動や交流を支援するとともに、市民活動を高め市民のネットワークによる、学びあい、教えあう人材の活用と育成を図ってまいります。
 このため、「市民活動支援事業」を実施してまいります。

 第4は、『企業誘致』であります。

 雇用の創出による活力と魅力あふれる地域社会の実現を目指し、製造業をはじめ光関連産業や研究開発型産業などを基本に企業誘致を進めるとともに、モノづくり産業など多様な分野にわたる企業の立地を推進します。
 このため、「匠の技集積事業」をはじめ、「初期投資軽減事業」や「立地環境PR活動推進事業」に加え、新たに「立地企業フォローアップ事業」を実施してまいります。

 第5は、『観光振興』であります。

 国は、ビジット・ジャパン・キャンペーンなどにより、2010年までに外国人旅行者を1,000万人とする目標を掲げており、本市におきましては、国内はもとより、東南アジアを中心としたインバウンドのプロモーション活動を強化し、外国人観光客の誘致を目指します。
 また、「観光都市」として、観光資源の整備や観光客の周遊化・通年観光の推進や情報発信機能の強化など、総合的・広域的な観光振興体制の確立を目指すとともに、観光資源としてのヒメマスの確保を図り、地域経済の振興に努めます。
 このため、「支笏湖地区活性化推進事業」をはじめ、「にぎわいトライアングル事業」や「農村観光振興事業」、「観光PR活動推進事業」に加え、新たに「ヒメマス観光資源化促進事業」を実施してまいります。

 (新年度予算)

 次に、新年度予算の概要について申し上げます。

 新年度予算は、今日における国・地方を取りまく厳しい財政環境のなかで、地方分権時代に対応した自主・自立の行財政運営を基本におきながら、財政健全化対策の4年次目として、引き続き、施策の重点化を図る一方で、「緊急性があるものを除き新規事業の凍結」、「全事業の見直し」、「内部管理経費の抜本的見直しによる徹底した削減」、「投資的経費の抑制」に取り組み、足腰の強い安定した財政基盤の構築を目指した予算編成を行ったところであります。
 この結果、一般会計総額では、467億5,591万5千円、前年度予算と比べ、121億6,956万5千円、35.2パーセントの大幅な増となっておりますが、これは土地開発公社の経営の健全化を図るために、プロパー用地分について、市が低利貸付を実施することによるものであります。
 また、特別会計では6会計の総額で、172億9,908万2千円、前年度予算と比べ、3億1,636万円、1.8パーセントの減となっております。
 一般会計を含めた7会計の総額では、640億5,499万7千円、前年度予算と比べ、118億5,320万5千円、22.7パーセントの増となっており、「元気な子供・育(はぐく)み予算」として取りまとめたところであります。

 なお、予算の細部については、別に「平成18年度千歳市各会計予算大綱」で説明いたします。

 (主な施策)

 次に、5つの都市づくりの目標ごとの主な施策について申し上げます。

 第1は、『心がかよい幸せ感じる都市づくり』の推進であります。

 すべての市民が心身ともに健康で、生きる喜びを実感しながら暮らしていけるよう、保健・医療・福祉のサービス基盤を整えるとともに、子育てや、高齢者、障害者などハンディキャップを持つ人たちを地域ぐるみで支援してまいります。また、地域の一員としての市民意識を高めながら、コミュニティの主体的な活動を育みます。
 保健予防対策については、地域に根ざしたきめ細かな健康づくり事業を展開するため、意欲のある市民をリーダーとして養成し、健康づくりボランティアとして活躍していただく「ヘルスコンダクター養成事業」を実施します。
 まちなかウォーキング事業については、"ウォーキング"を通じた健康づくりとして参加者の増加を図るため、「水と緑を歩こう会」の内容を見直し、さらに充実するとともに、昨年から配布しているウォーキングマップ「ちとせ発見マップ」のコースを普及させるため、マップに掲載したコースを歩く会を市民団体と協働で開催します。

 医療については、地域の基幹病院として市立千歳市民病院による救急医療、高度医療の提供など市民の医療ニーズに応える包括的な医療環境と診療体制の充実を図ります。
 また、相互補完体制の強化を一層進めるため、地域医療連携室の機能を充実させ、地域医療機関との連携を強化し、病診・病病連携を推進してまいります。
 病院機能評価については、医療の質の向上と地域における医療の信頼性をより確実なものとするため、平成18年度認証取得を目指します。

 地域福祉については、誰もが安心して利用できる保健福祉サービスのシステムの構築を目指すとともに、サービス提供事業者に対する市民の信頼性を高めるため、第三者機関として、「千歳市保健福祉オンブズマン」を設置し、サービスのさらなる向上に努めてまいります。

 高齢者福祉については、高齢者が住み慣れた地域の中で、一人ひとりの意志に基づく自立した生活を目指し、第3期千歳市高齢者保健福祉計画・千歳市介護保険事業計画に基づき、新年度から3か年計画の介護保険事業や地域支援事業等の推進に努めてまいります。
 介護保険制度については、制度の基本理念である高齢者の「自立支援」、「尊厳の保持」を基本として、本市においては、予防重視型システムへの転換を図るものとして、新予防給付や地域支援事業の創設、さらには、認知症ケアや地域ケアを推進するために、千歳市在宅福祉総合センター内に地域包括支援センターの創設とセンター以外に4箇所の相談窓口を設置し、総合相談・支援及び権利擁護業務、ケアマネジメント支援業務などを進めてまいります。

 障害者福祉については、本年4月から「障害者自立支援法」が施行されることに伴い、3障害(身体・知的・精神)の福祉施策が一元化されるとともに、利用者負担、医療や福祉に係る制度の見直し、障害福祉計画の策定、障害程度区分の認定、審査会設置など、福祉サービス制度が改正されることから、これらの事業の推進にあたり、関係機関との連携を図りながら、障害のある方々の地域生活での自立支援に努めてまいります。

 児童福祉については、地域全体で子育てを応援する拠点施設として、「(仮称)子育て総合支援センター」の整備に向け、複合施設としての機能を活かした利用しやすい魅力ある施設となるよう実施設計を行います。
 身近な場所に親子交流等の場を設置する「地域子育てサロン事業」については、民生委員・児童委員、町内会組織などが一体となった市民主体の活動を支援するため、貸し出し遊具の充実を図ります。

 学童クラブについては、末広小学校・高台小学校2校の受け皿となっておりますつばさ学童クラブの待機児童の解消と遠距離通所等の改善を図るため、末広小学校内に「末広小学童クラブ」を新たに開設します。
 また、保護者の疾病、その他の理由により、家庭において児童の養育が一時的に困難となった場合に、児童養護施設において児童を短期間預かる「子育て短期支援事業(ショートステイ事業)」を実施します。
 母子福祉については、母子家庭の母に対する職業能力の向上や専門的な資格取得等により、母子家庭の自立支援を図るため、自立支援教育訓練給付金、高等職業訓練促進給付金、常用雇用転換奨励給付金の支給事業を実施します。

 第2は、『安全で人と地球にやさしい都市づくり』の推進であります。

 地球的視野に立った環境保全対策に取り組むとともに、快適さと、うるおいに満ちた環境共生型の生活環境を整備します。また、さまざまな災害から市民生活を守り、安心して暮らせる環境づくりや基盤整備を進めます。

 「ISO14001」については、これまでの外部審査機関による認証登録から、平成18年2月20日をもって「自己適合宣言」に移行いたしました。今後は、これまで培ってきた知識や経験を活かし、引き続き環境マネジメントシステムによる継続的改善に取り組むとともに、市民や事業者との連携により、このシステムの普及・拡大を積極的に推進します。
 公害の発生防止に向けた監視・指導体制については、市民の健康と生活環境を守るため、大気、水、騒音などの環境の常時監視と発生源に対する規制、指導に努めます。

 廃棄物行政については、「千歳市循環型社会形成推進施策20」に基づき、市民、事業者、行政の連携及び協働体制を構築して、発生抑制、再使用、再生利用の「3R(スリーアール)」や適正処理の確実な推進を図ります。
 本年5月1日から実施する家庭ごみの有料化により、ごみの減量化・リサイクルに努めるとともに、適正ごみ処理推進員制度を導入するなど、懸念される不法投棄と不適正排出への対応を強化してまいります。
 建設中の第3最終処分場については、本年度一部供用を開始しておりますが、引き続き新年度完成に向け整備を進めます。
公園整備については、街区公園の計画的な整備を進めるとともに、勇舞公園及び大和近隣公園の整備を継続して実施します。

 防災については、災害に強い安全で安心な地域社会づくりを進めるため、防災関係機関や協力団体などとの連携を強化し、防災体制の充実・強化を図ります。
 また、大規模災害時には自主防災活動が重要となることから、地域の実情に即した協働型地域形成に向けて、「自分たちの地域は自分たちで守る」という連帯意識に基づく自主防災組織の結成支援や育成の継続的な取り組みを進めます。
 さらに、武力攻撃事態等における市民の保護のため、関係機関と協力し、避難、救援、武力攻撃に伴う被害の最小化などの対策を柱とする千歳市国民保護計画を策定します。

 千歳川治水対策については、国から千歳川河川整備計画が示されましたことから、千歳川流域治水対策協議会において、現在、内水対策などの課題の検討を行っており、市といたしましても、治水事業の早期整備促進に努めてまいります。

 消防については、災害現場での負傷者救出活動などに必要な空気呼吸器を計画的に更新するとともに、地震等の大規模災害による水道管の寸断に対応する消防水利を確保するため、耐震性貯水槽の整備を実施するなど、複雑多様化する災害・事故等の対応に向けた取り組みを進めます。
 さらに、「国民保護法」に基づき、有事の際の情報・連絡体制の連携、避難誘導並びに災害現場活動の強化を図るため、消防の機動力が効果的に発揮できる体制づくりを進めます。

 火災予防については、防火対象物の立入検査の強化及び違反是正をより一層徹底するとともに、住宅火災による死傷者の発生防止のため、住宅用火災警報器の設置促進をはじめとする住宅防火対策の取り組みを進めます。
 救急業務については、心肺停止者の救命率の向上を目指し、救急救命士を計画的に養成するとともに、処置範囲の拡大に伴う気管挿管や薬剤投与などの知識・技術の習得を図ります。
 さらに、公共施設等への自動体外式除細動器(AED)の計画的な設置を進めるとともに、救命講習を積極的に開催するなど、救急救命体制の充実・強化に努めてまいります。

 水道事業については、浄水施設や配水管の計画的な更新、耐塩素性原虫いわゆるクリプトスポリジウム対策として、ろ過設備の改良など安全でおいしい水の供給に努めるとともに、将来とも安定した水道水を確保するため、石狩東部広域水道企業団による拡張事業を促進します。
 公共下水道事業については、計画的な施設整備を進め、生活環境の向上を図るとともに、「下水道法施行令」改正により、千歳川、ママチ川への放流水質基準が強化されたことに対応して、水質改善事業に取り組み、公共用水域の水質保全に努めます。
 また、水道料金及び下水道使用料の納入につきましては、利便性の一層の向上を目指し、新たに郵便局を加えるなど、納入窓口の拡大を図ってまいります。

 汚泥処理システムの安定化については、平成19年度供用開始を目指し、千歳市スラッジセンターの第2系列の施設を整備します。
 個別排水処理施設整備事業については、下水道未整備地区である農村地区において、合併処理浄化槽を設置し、生活環境の向上、公共用水域の水質保全を図ってまいります。

 C経路まちづくり事業については、防災学習施設の実施設計とともに、引き続きC経路緩衝緑地帯の用地買収を行い、周辺地域と調和のとれた緑豊かな都市環境の形成に努めてまいります。
 市営住宅の整備については、千歳市公営住宅ストック総合活用計画に基づき、北栄団地の建替えを進めるとともに、中心市街地の活性化に寄与するまちなか公営住宅団地として、いずみ団地の基本設計及び緑町の新団地の基本計画に着手します。
消防法の改正により設置が義務付けられた住宅用火災警報器については、入居者の安全を確保するため、新年度から3か年計画で全市営住宅に設置してまいります。

 第3は、『学びあい心ふれあう都市づくり』の推進であります。

 市民の生涯にわたる主体的な学習活動を促進し、まちづくりへの参加機会の拡大に努めるほか、本市の特性を活かした文化やスポーツの振興など、次代を担う心豊かな青少年を育成します。また、国内外との多様な交流活動を目指し、各種活動の支援や交流を促す環境づくりに取り組みます。

 生涯学習については、市民の自主的な活動や交流などを積極的に支援する拠点として「市民活動交流センター」を開設し、多様な市民活動や交流・連携を支援するとともに、人材育成を推進するための体制づくりを進めます。
 また、「みんなで、ひと・まちづくり基金」を活用した、ひとづくり・まちづくりのリーダー的役割を担う人材の育成に努めてまいります。

 教育環境の整備については、児童生徒に快適な学習環境を提供するため、支笏湖小学校、駒里小中学校の2校において大規模改修を行います。
 学校の耐震対策については、本年度耐震診断を実施した高台小学校と青葉中学校の耐震補強設計を行うとともに、新たに日の出小学校と信濃小学校の耐震診断を実施します。
教育用コンピュータの整備については、市内小中学校における情報教育の推進を図るため、新年度は中学校7校の機器を更新します。
 教育機会の拡充については、奨学金の交付を希望する学生・生徒の増加に対応して、交付予定人数の拡大を図るとともに、高等学校、大学等と同等の専修学校を新たに対象とするなど、等しく教育を受けることができる環境の整備を図ります。

 千歳科学技術大学については、大学院博士後期課程の開設や大学院棟の整備に続き、学生支援機能を備えた多目的複合施設の整備が予定されるなど、着実に体制や施設の充実が図られております。
 また、文部科学省の、すぐれた教育を実践している大学・短大に対し補助金を重点配分する「特色ある大学教育支援プログラム」や、高度教育における社会的要請の強い政策課題に対応した取り組みの中から特に優れたものを選定する「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」に採択されるなど、教育・研究機関として着実な歩みを進めております。今後も大学の更なる充実に向けて支援を行ってまいります。

 文化活動については、リニューアル工事を実施いたしました市民文化センターが本年4月より文化活動の拠点として再オープンすることとなります。利便性が向上した文化センターの利用促進と市民の皆さんの自主的な文化活動や学習活動がより一層推進できるよう支援してまいります。
 スポーツの振興については、「市民皆スポーツ」の観点に立ち、スポーツ団体の育成やスポーツ施設の整備充実に努め、向陽台公園庭球場コート改修及び向陽台水泳プール上屋等の改修を実施するとともに、硬式野球に対応するため、市民球場改修調査を実施します。

 国際交流の推進については、国際交流に取り組む民間交流団体への協力や支援を行うとともに、姉妹都市や友好親善都市との交流を進めてまいります。  
 姉妹都市であります指宿市との交流については、本年1月1日に山川(やまがわ)町、開聞(かいもん)町との合併により新しい指宿市となりましたが、今後ともより一層の交流を進め、友好の絆を深めてまいります。

 第4は、『魅力と活力あふれる都市づくり』の推進であります。

 市内外はもちろん、国際化の推進を目指し国内外との総合的な交通ネットワークの整備を進めるほか、地域の特性や都市景観を重視した都市開発、市街地整備を推進します。また、既存産業の振興とともに、研究開発機能の拡充とこれと結びついた各産業の新たな展開に取り組みます。

 地域情報化の推進については、「千歳市地域情報化計画後期基本計画」に基づき、情報通信基盤の機能強化を図り、ホームページによる情報提供の充実や、新たに市議会本会議等のインターネット映像配信システムを構築します。
 また、市民対象のパソコン講習や市民の誰もが気軽にパソコンなどの情報通信機器を体験・利用できるIT講習室開放事業を継続して実施します。
 国の「IT新改革戦略」に基づく「世界一便利で効率的な電子行政」の実現を推進するため、総合行政システムの充実を図るとともに、「北海道電子自治体プラットフォーム構想」に基づく電子申請・届出システムの運用を開始するなど、電子自治体の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

 道路整備については、南26号道路などの幹線道路や生活道路の整備を計画的に進め、安全性や利便性の向上に努めます。
 C経路の整備については、祝梅根志越線の第2祝梅橋の架け替え工事をはじめ第1メムシ橋の架け替え工事や、道路の改良工事を行うとともに、南28号道路や東4線道路の未整備区間の改良舗装工事を実施します。
 
 新千歳空港については、新年度も引き続き滑走路延長の事業化に向けた計画推進調査が実施されます。また、昨年の国際線乗降客数が、約62万2千人と2年連続で過去最高を記録するなど、狭隘化が著しい国際線旅客ターミナル施設について、議会や経済界と共に機能拡充を強く要望してまいりましたが、現在、国土交通省において空港西側地区での国際線専用のターミナルビル建設に向け、具体的な検討が進められております。
 新しいターミナルビルの建設は、利用者の利便性向上とともに、新たな海外路線の開設や、観光客誘致にも弾みがつくものと期待しております。
 本年は、大正15年、当時の千歳村民が力を合わせて着陸場を造成してから80年を迎える記念の年であります。国内線33路線、国際線8路線が就航し、昨年の乗降客数が1,787万人を数える新千歳空港は、北海道の経済活性化の重要な役割を担っておりますことから、今後も北海道や新千歳空港国際化推進協議会などの関係団体と連携しながら、国際拠点空港化の推進に取り組んでまいります。

 電線類地中化事業及びバリアフリー整備事業については、防災に強く障害者や高齢者にやさしい魅力ある都市景観を形成する事業として平成19年度の完成を目指し、千歳駅周辺の国道337号及び道道早来千歳線の工事が順調に進められております。市としましても国や北海道と連携を図りながら、安全で快適な生活空間と魅力ある都市景観の形成に取り組んでまいります。
 区画整理事業については、組合施行によるおさつ駅みどり台地区の土地区画整理事業を引き続き促進し、魅力ある市街地の形成と計画的な宅地の供給に努めてまいります。

 農林業については、少子高齢化に伴う担い手の減少や輸入農産物との競合など、農林業を取りまく環境は一段と厳しさを増しており、新規就農者、就農希望者への支援、女性農業者の経営参画の促進、クリーン農業の推進など、農業経営体質の強化・改善に努めてまいります。
 また、経営感覚に優れた認定農業者や中核農家の育成のため、経営展開に必要な諸制度の活用支援、林業では森林の整備と保護にかかる対策に努めてまいります。
 グリーン・ツーリズム計画については、都市と農村の交流事業として地域の活性化に寄与するものと期待しており、関係者による連絡協議会に対し、市としても支援してまいります。

 駒里地区の地域振興については、昨年5月に設立した千歳市駒里農業協同組合が、駒里地域でのそば栽培から製粉、そば打ち及び調理に至るまでの全てを手掛ける「そば店」の建設工事を、オフィス・アルカディア地区内で昨年12月に着手しており、本年6月のオープンを予定しております。
 また、構造改革特区の認定を受けていた農村再生特区については、駒里地域活性化促進協議会において、農地流動化や新規就農者の受け入れを進めており、市といたしましても、これら取り組みに対する協力を引き続き行ってまいります。
 工業の振興については、企業立地の促進を図るため、積極的な誘致活動を進め、高度な技術力を持つ企業の集積を図る「匠の技集積事業」をはじめ、工業団地のリースや市内空き工場の活用などを図る「初期投資軽減事業」、さらには、本市の優れた特性を全国の企業にアピールするための「立地環境PR活動推進事業」をより一層強化するとともに、新たに立地企業からの相談等に対応するための「立地企業フォローアップ事業」を実施します。
 ホトニクスバレープロジェクトについては、特定非営利活動法人ホトニクスワールドコンソーシアムによる産・学・官の共同研究などの実績が積み重ねられており、更なる発展を期待するとともに、千歳科学技術大学の学術研究機能を最大限に活かしながら、産・学・官連携による研究開発活動を促進し、新産業や新技術の創出・育成及び光関連産業の集積を図ってまいります。

 中心市街地の活性化については、「千歳タウンプラザ」1階の一部を継続して借り上げ、千歳市商店街振興組合連合会を窓口に、商業テナントの誘致を行い来客数の増加を促してまいります。
 ニューサンロードのアーケードについては、老朽化に伴う危険性を回避するとともに、商店街のまちなみ整備の一環として、撤去にかかる支援を行ってまいります。
 空き店舗利用促進事業については、中心市街地活性化策として引き続き支援してまいります。
 雇用については、若年層の雇用機会を確保し、民間への就職活動につなげるワークシェアリング事業を引き続き実施します。

 観光の振興については、「観光振興アクションプラン」に基づき、観光連盟や観光事業者などとともに、観光客の受け入れ体制の整備などに努めてまいります。 
 支笏湖地区において進められていた環境省の「緑のダイヤモンド計画」が終了し、観光資源の整備が図られたことから、環境省の公園計画見直しに伴う「動力船乗り入れ規制」に対する支援など、静かなたたずまいをコンセプトに自然環境の保全と適正利用を図りながら地域や観光のニーズに対応した観光地づくりを進めてまいります。
 ヒメマスの保護対策については、さけ・ます資源管理センター及び北海道との連携を図りながら、ふ化放流事業の円滑なる実施とともに、釣りマナーの徹底を図ります。

 第5は、『参加と連携による都市づくり』の推進であります。

 性別や年齢を問わず、多様な市民参加の場づくりに努めるとともに、地方分権への対応を見据え、市民と行政による新たな相互関係を構築します。また、行政運営の改革や広域的な市町村連携事業を推進します。

 市民協働の都市経営については、都市経営会議からの提言を踏まえ、市民の権利を明確にし、活動をサポートするための基礎となる「市民協働推進条例」の制定を目指します。
 男女共同参画社会の実現については、平成9年度に策定した「ちとせ女性プラン」の計画期間が、平成18年度で終了することから、新たに平成19年度から23年度までの5か年を計画期間とする「(仮称)千歳市男女共同参画推進計画」を策定します。

 行政改革の推進については、厳しい財政状況の中で多様化する行政課題や市民ニーズに対応するため第4次行政改革を推進し、スポーツセンターなど19の公の施設を指定管理者制度により管理運営するとともに、民間活力の導入などにより経費の削減や市民サービスの向上に努めてまいります。
 また、職員の勤務意欲と能力の向上を図るため「人事評価システム」の導入を目指すとともに、市民サービスの向上、コスト意識等の醸成を図るため、民間派遣研修を引き続き実施するなど、職員の意識改革と組織の活性化を進め、職員の能力を最大限に活かした行政運営、簡素で効率的な市役所づくりに努めてまいります。

 行政評価については、「行政評価システムの全体像」に基づき全事業を対象とした事務事業評価の継続と改善を推進するとともに、新長期総合計画との整合性を図りつつ、行政資源の有効配分が可能となる施策評価の導入に努めてまいります。
 公務員を取りまく環境が大きく変化し人件費の抑制が一層求められている中で、職員の新規採用凍結を引き続き行うほか、国の給与構造改革に合わせて職務・職責に応じた新しい給与制度に移行するなど、人件費全体の削減に努めてまいります。

 (むすび)

 以上、平成18年度の市政執行に臨む私の所信を申し上げました。
 今、地方自治を取りまく環境は、大変厳しくこの難局を乗り切っていくためには、市職員一人ひとりが「元気」であり、より一層、仕事に「やる気」と「本気」を発揮することが求められております。
 私は、この活動の源となる力を意味する「気」をキーワードとして、「職員の意識改革」に取り組み、市民が何を求めているのか、そのために何が出来るのかを常に考えながら、「市民のための市役所づくり」を強力に推進してまいります。
 中国の古典に「九仞(きゅうじん)の功を一簣(いっき)に虧(か)く」という譬(たと)えがあります。これは、九仞の高い山を築き上げる際に、最後の簣(もっこ)一杯の土を欠けば、その山は完成されないという意味から、長年の努力も最後のわずかな失敗で、不成功に終わってしまうというものであります。
 私は、この「一簣の功」の精神で、9万2千市民の幸せのため、残された任期に一身を投じ、千歳市長の職責を果たすべく全力を尽くす決意であります。
 市民並びに議員各位のご協力を心からお願い申し上げます。