(はじめに)

 平成17年第1回定例市議会の開会にあたりまして、市政執行への私の所信を申し上げます。

 戦後60年を迎えようとしている現在、国際社会と同様、国内社会も変動と転換の時期にあります。
 このような中で、本年は、私にとりまして、市長任期の折り返しとなる就任3年目を迎えることとなります。
 今日まで市民の皆さんの幸せの実現に向けて、努力を傾注してまいりましたが、一方では、自衛隊の削減問題や財政健全化の取り組み、さらには旧エスプラザビルの再開など、将来を展望しつつ、厳しい選択と決断の日々でありました。
 しかし、そのような状況のなかで、市政を運営することができましたことは、ひとえに市民の皆さん、そして市議会議員各位のご理解とご協力のたまものと心から感謝を申し上げますとともに、一層のご支援をお願いするものであります。
 今後も、流動する内外の諸情勢に柔軟に対応して、市民一人ひとりが人生に夢を持ち、その夢が必ず実現できる、そのような都市(まち)の構築を目指し、長期的な展望のもと、勇断をもって市政を進めていくことが私に課せられた使命であると決意を新たにしているところであります。

 さて、世界情勢は、依然として潜在的なテロの脅威、緊迫が続く中でのイラク国土の復興、北朝鮮とイランの核開発問題など先行きの見えない状況が続いておりますが、これらの不安定要因が深刻な国際問題に発展することのないよう、国際関係の一層の安定化と人類共通の願いである恒久平和を心から願うものであります。
 経済のグローバル化が進展する中にあって、アメリカをはじめとして、中国、タイ等で景気の拡大傾向が続いているほか、ユーロ圏では、景気は緩やかに回復しているなど、世界の景気は着実に回復しているとの見方がなされております。
 こうした世界的な動向の中で、我が国の経済は、デフレ傾向が継続しているものの、景気は引き続き民間需要を中心に緩やかな回復を続けると見込まれております。
 一方、北海道においては、雇用情勢は若干改善されつつあるものの、景気回復は遅れていると評価されており、一日も早く回復への動きが実感できることを期待するものであります。

 このような状況のもと、国は「官から民へ」「国から地方へ」と日本経済の再生に向けて、社会保障制度改革をはじめ、地方交付税、国庫補助負担金、税源移譲を一体として見直す「三位一体の改革」等の構造改革をはかり、持続可能な財政構造の構築を進めております。
 地方自治体を取り巻く環境は、地方分権に向け大きく変化しており、地方の時代が現実のものとなっている今日、地方自治体が自立し、知恵と工夫に富んだ施策を展開し、住民本位の地域づくりを行うためには、国から地方自治体への権限と財源の移譲が求められております。
 このことから、国は、平成17年度予算案において、約1兆1千億円を税源移譲することとしておりますが、平成19年度以降の三位一体の改革は極めて不透明であり、今後も、その動向を十分注視するとともに、真の地方の時代の実現に向け、地方が一丸となってこの課題に取り組んでいかなければならないと考えております。

 「受次ぎて国の司の身となれば忘るまじきは民の父母」と詠んだ第9代米沢藩主 上杉鷹山(うえすぎようざん)は、藩主としての自分の仕事は父母が子を養うごとく、民のために尽くすことであると決意し、藩財政の建て直しに心血を注ぎました。
 この「民の父母」としての根本方針は「三助」すなわち、自分や家族でやれることは自分たちでやりましょう、という「自助」、自分たちでやれないことは隣近所で互いに助け合いましょう、という「互助」、そして、それでもやれないことは役所がやりましょう、という「公助」であり、これを実践したのであります。
 このことは、時代を超えて私が目指す「市民協働のまちづくり」にも共通するものがあると考えております。
 このような厳しいときこそ、市民の皆さんと課題を共有し、英知を結集してまちづくりにあたることが重要であり、重ねて市民の皆さんのご理解とご協力をお願いするものであります。

(市政運営の基本姿勢)

 ここで、今後の市政運営に臨む基本姿勢について申し上げます。

 まず、第1に、『市民主体、市民協働の都市経営の推進』であります。

 高度経済成長の時代には、確実に増え続ける財源を背景に、住民要望は増え続け、行政も、その守備範囲を拡大しながら、様々な要望に応える努力をしてまいりました。
 しかし、近年の厳しい経済情勢や急速な少子高齢化などから、社会情勢は一変し、これまでのような右肩上がりの発想では行政運営に限界が生じてきております。
 これを解決するためには、これからの時代にあった行政の守備範囲はどこまでか、市民の皆さんに担っていただく役割は何か、といったことを改めて問い直すことが必要になっています。
 地域における課題は、防犯、防災、高齢者福祉をはじめとして増大・多様化しております。私は、これらに対応するためには、行政だけではなく地域自らが主体的に身近なまちづくりにかかわり、ともに役割を担っていく時代がきていると考えております。
 私は、市民の皆さんとともに、この課題に正面から取り組み、協力しながら市政を進める「市民主体、市民協働の都市経営」を推進してまいります。

 第2に、『公平・公正、開かれた市政の推進』であります。

 私は、市政の推進にあたっては、市民の皆さんの立場に立った「公平・公正な市政」の推進、情報公開や資産公開などによる「市政の透明化」を基本におきながら、市のホームページの「市長の部屋」において、私の行動記録や交際費の支出状況を公開してきておりますが、今後も市政に関する情報の積極的な公開に努めてまいります。
 また、これまで多くの「市長の出前講座」を開催し、その都度、市政の現状や課題に対する私の考えをお話してまいりました。
 今後も市民の皆さんと課題や情報の共有を積極的に進め、まちづくりの将来について考えてまいりたいと思います。
 さらに「市長相談日」や「市政懇談会」、「市長への手紙・ポスト」などを通じて、市民の皆さんの声を市政に反映するとともに、「広報ちとせ」の充実をはかるなど「開かれた市政」の推進に努めてまいります。

 第3に、『21☆千歳きらめきプランの推進』であります。

 まちづくりの指針となる新長期総合計画「21☆千歳きらめきプラン」の着実な推進をはかるため、これまでのまちづくりの足跡と新たな時代潮流を踏まえ、本市がもつ特性や資源、都市基盤などを有効に活かしながら、将来都市像の実現に努めてまいります。
 新年度は、計画の中期となりますので、これまでの進捗状況を検証し、さらに、社会情勢や財政状況等の変化を踏まえながら、今後の各種事業の実現の可能性を見据えた後半期5か年の事業見通しを明らかにしたいと考えております。
 また、私の公約につきましても、これらと整合をはかりながら、実現に向けた取り組みを行ってまいります。

(重点課題)

 次に、当面する重点課題について申し上げます。

 まず、第1に、『安全・安心の都市(まち)づくり』であります。

 国は、昨年新たな「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」を策定し、いわゆる冷戦型の侵略に備えた装備や要員など既存の防衛体制を抜本的に見直し、テロや弾道ミサイルなど新たな脅威に対応するとともに、国際平和協力活動に主体的に取り組んでいくとしております。
 特に防衛計画の大綱の策定過程では、自衛隊の装備や人員の削減問題があり、結果として一定の実員を確保することはできましたが、今後5年ごとに整備される「中期防衛力整備計画」策定段階等において、組織の見直しによる部隊の統廃合も想定されるところであります。
 隊員家族合わせて約22,000人が住む本市にとりまして、この自衛隊削減問題は、地域経済への打撃はもとより、地域の安定、災害等への対応など、「安全・安心の都市(まち)づくり」への影響は、極めて大きいものがあると考えております。
このため去る2月8日に、関係自治体で構成する「北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会」を設立し、連携を一層強化していくとともに、継続的に中央に地域の実情を発信していくことにいたしました。
 今後とも自衛隊と共存共栄するまちづくりを目指し、この問題に積極的に対処してまいりたいと考えております。
 また、昨年は豪雨や台風による災害の多発、さらには新潟県中越地震やインドネシアのスマトラ島沖で発生した地震津波による甚大な被害など、改めて自然災害の恐ろしさを痛感したところであります。
 私は、市民の皆さんが安全で安心した暮らしができるよう、防災対策の充実に努めてまいります。
 さらに、市民の皆さん一人ひとりが「自分たちの地域は自分たちで守る」という意識を持ち、自主防災組織の結成や各種防災訓練に積極的に参加していただきたいと思います。

 第2に、『財政の情報公開と健全化の推進』であります。

 新年度から新たな財政健全化対策を行ってまいりますが、逼迫した財政状況を改善し、千歳の未来を確かなものにするため、徹底した行財政改革に取り組み、不要不急の事業の見直しや事業の重点化などにより、歳出の削減・効率化を確実に進めてまいります。
 また、国の「三位一体の改革」は、地方財政に極めて大きな影響を及ぼすことから、今後もその動向を十分注視しながら、財政健全化に向けた取り組みを行ってまいります。
 また、市の財政状況をもっと身近に知っていただき、一緒に考えていただけるよう、わかりやすい形での情報公開に努めてまいります。

 第3に、『中心市街地活性化の推進』であります。
 
 21世紀は、急激な都市化が終焉を迎え、安定・成熟した都市型社会に向かうと言われておりますが、このような中で、今後も「住みよい都市(まち)」、「活力のある都市(まち)」づくりをどのように進めていくかについては、行政はもちろん、市民の皆さん一人ひとりにも真剣に考えていただきたいテーマの一つであると考えております。
 現在の中心市街地を取り巻く環境は依然厳しいものがありますが、魅力ある中心市街地を再生するためには、創意工夫による商店街の近代化や民間投資の誘導などを進めるとともに、関係機関との連携・協力の強化をはかり、官民一体となった取り組みが重要であります。
 活性化を推進するため、TMO構想に示された事業の実現が不可欠であるとの認識に立ち、千歳商工会議所の具体的な取り組みに対し、事業が円滑に推進されるよう引き続き支援してまいります。
 また、中心市街地活性化の核となる旧エスプラザビルの再開により、魅力と賑わいのある中心市街地の再生につなげてまいりたいと考えております。

(重点施策)

 次に、重点施策について申し上げます。

 箱館奉行の羽太正養(はぶとまさやす)が、この地を「千歳」と名付けたのは、今から200年前の1805年(文化2年)のことです。
 本市が次なる新しい100年に向かって第一歩を踏み出すにあたり、私は、歴史を振り返り、厳しい自然とたたかいながら、不屈のフロンティア精神をもって、千歳の基盤を築かれた先人に敬意を表するとともに、さらに「千歳」の名を将来にわたって守り伝えていきたいと思います。
 今日の礎を築いた先人の活力は、村民あげての「飛行場づくり」にはじまり、悲願の「支笏湖の国立公園指定」、北海道で初めての「内陸型工業団地の造成・雇用の創出」、人材育成や新産業の創造を目指す「千歳科学技術大学の設立」など、幾多の「自主決定と実行」によって、遺憾なく発揮されてまいりました。
 特に「国立公園支笏湖や清流千歳川に代表される豊かな自然」、「国際拠点空港化を目指す新千歳空港」、「北方の防衛を担う日本一の自衛隊」など、多種多様な「特性・優位性・可能性」を備えた都市(まち)の市長として、この先人の希望と活力を継承し、そのあゆみと偉業を子孫に伝える責任と義務を痛感するものであります。

 私は、現在進めている財政健全化対策の着実な実施を前提としつつ、本市の「特性・優位性・可能性」を踏まえたまちづくりの将来方向を、重点施策として掲げ早期に取り組みを進めてまいります。
 施策の柱は、公約に掲げております「安心」と「活力」とし、施策のキーワードを「若い街」「防人(さきもり)の街」「交流人口の多い街」「工業の街」「観光の街」として、5項目の重点施策を位置づけ、「人育て・市民協働により活力が循環する都市(まち)づくり」を推進してまいります。

 その施策の第1は、『子育て・教育』であります。

 少子化時代にあっても、安心して子供を生み育て、子育てに喜びを感じることのできる環境の整備を行ってまいります。
 また、次代の千歳を担っていく子どもたちの、豊かな個性と生きる力を育むとともに、地域ぐるみで、子どもを健やかに安心して育てられる環境づくりを進めてまいります。
 このため、「母子保健事業」や「子育て支援施設整備事業」を推進するとともに、「仕事と家庭の両立支援」や「教育の活性化」をはかってまいります。

 第2は、『防災対策』であります。

 地震、火山の噴火、航空機事故等の災害から市民の生命・身体・財産を守るため、本市に所在する自衛隊と連携し、緊急時における協力体制の充実に努めてまいります。
 また、学校及び公共施設等の重要な施設について、耐震性の確保に努めるとともに、防災資機材の備蓄の充実と市民の「防災意識の高揚」をはかってまいります。
このため、「公共施設の耐震化」や防災学習活動の拠点となる「防災拠点の整備」を進めてまいります。

 第3は、『人材の育成』であります。

 市民の主体的な学習活動や市民協働のまちづくりを推進するため、市民の自主的な活動や交流を支援してまいります。
 また、市民の皆さんが相互に交流・連携できるよう市民活動のネットワークづくりを進めてまいります。
 さらに、地域における人材の発掘を進め、市民の誰もがまちの担い手となって、活力を受け継ぎ循環していく、学びあい、教えあう人材の活用と育成をはかってまいります。
 このため、「市民活動支援事業」を実施してまいります。

 第4は、『企業誘致』であります。

 厳しい経済環境の中で、企業誘致によって雇用を創出し、魅力と活力あふれる地域社会の実現を目指します。
 また、立地を容易にするため初期投資の負担の軽減をはかるとともに、本市の魅力と企業立地の優位性を積極的にPRしてまいります。
 このため、「匠の技集積事業」をはじめ、「初期投資軽減事業」や「立地環境PR活動推進事業」を実施してまいります。

 第5は、『観光振興』であります。

 国は重点政策として、各地の観光資源の掘り起こしにより我が国への外国人旅行者を増加させるという観光立国の実現、いわゆる「住んでよし、訪れてよしの国づくり」を目指しております。
 こうした国における施策の動向を見極めながら、支笏湖や清流千歳川など本市の自然資源を活かした観光振興を積極的に進めてまいります。
 このため、「にぎわいトライアングル創出事業」や「農村観光振興事業」、「観光PR活動推進事業」を実施してまいります。

(新年度予算)

 次に、新年度予算の概要について申し上げます。

 新年度の予算は、概算要求時点において約14億8,400万円の収支不足が見込まれる中で編成にあたりました。
 編成にあたっては、新たな財政健全化対策元年として「緊急的なものを除き新規事業の凍結」「全事業の見直し」「内部管理経費の抜本的見直しによる徹底した削減」「投資的経費の抑制」を基本とし、足腰の強い安定した財政基盤の構築を目指すとともに、「活力が循環する都市(まち)」の実現に向けた最大限の取り組みを行ったところであります。
 また、今日における国・地方を取り巻く厳しい財政環境の中で、地方分権の時代に対応した自主・自立の行財政運営を基本におきながら、将来の千歳を確かなものとするため、施策の重点化をはかり、さらに新長期総合計画に掲げる5つの都市づくりの目標に沿って、メリハリのある予算編成を行いました。
 この結果、一般会計で345億8,635万円、特別会計の7会計総額で176億1,544万2千円、一般会計を含めた8会計の総額では、522億179万2千円となり、前年度当初予算と比べ、28億7,015万5千円、5.2パーセントの減となっており、緊縮型の「改革・再生予算」として取りまとめたものであります。
 なお、予算の細部については、別に「平成17年度千歳市各会計予算大綱」で説明いたします。

(主な施策)

 次に、5つの都市づくりの目標ごとの主な施策について申し上げます。

 第1は、『心がかよい幸せ感じる都市づくり』の推進であります。

 すべての市民が心身ともに健康で、生きる喜びを実感しながら暮らしていけるよう、保健・医療・福祉のサービス基盤を整えるとともに、子育てや、高齢者、障害者などハンディキャップを持つ人たちを地域ぐるみで支援してまいります。
 また、地域の一員としての市民意識を高めながら、コミュニティの主体的な活動を育みます。

 保健予防対策については、乳幼児から高齢者まですべての市民の健康づくりを推進するため、市民への健康教育や健康相談等の支援体制の充実をはかるとともに、予防接種と乳幼児健診の統合や検診会場に「遊び場」を設置するなど保護者の皆さんが安心して受診できる体制の整備に努めてまいります。
 また、健康づくりの基本計画である、「(仮称)健康ちとせ21」の策定については、市民の意見を計画に反映させる「ちとせ市民健康会議」を開催し、地域の特性を踏まえて具体的な目標を設定するとともに、健康はつくるものとの視点から「まちなかウォーキング」事業の一環として、「水と緑を歩こう会」などを実施し、市民有志との協働によりウォーキングネットワークづくりを進めてまいります。

 医療については、市民の新たな医療ニーズに幅広く対応するため、地域の基幹病院として高度医療の提供、診療体制、救急医療体制の充実をはかってまいります。
 また、医療安全管理を徹底し、医療事故の防止をはかるため、安全管理に対する意識の向上、技能の習得に努めてまいります。
 医療の質の向上と地域における医療の信頼性を高めることを目的として認証取得を目指している「病院機能評価」については、平成18年度の受審に向けて取り組みを強化してまいります。
 病診・病病連携の推進については、新年度より副院長を室長とした「地域医療連携室」を設置し、地域医療機関との連携をはかり、相互補完体制の強化をより一層進めてまいります。

 高齢者福祉については、高齢者等が安心して生活できるまちづくりを推進するため、高齢者福祉施策及び介護保険制度による介護サービスを受けられるよう基盤を整備するとともに、福祉・介護サービスの質的向上をはかるため、市民、介護サービス事業者、福祉関係団体等の意見を踏まえながら、第3期千歳市高齢者保健福祉計画・千歳市介護保険事業計画を策定いたします。
 また、一律支給方式の敬老年金支給事業及び100歳以上の高齢者祝品贈呈事業については、新たに賀寿方式の敬老祝金贈呈事業として実施し、高齢者・障害者のバス・浴場等利用助成事業については、高齢者・障害者福祉サービス利用助成事業として、持続可能な制度に再構築し推進いたします。
 障害者福祉については、「障害者総合支援センター」の相談件数が増加しておりますことから、ケアマネジメント体制の充実や「地域支援会議」を活用した関係機関との連携強化をはかるなど、障害のある方々の地域生活での自立支援に努めてまいります。

 児童福祉については、新たな子育て支援計画に基づき、地域全体による総合的な子育て支援を推進するため、子育てボランティア等の人材育成を含め、保育所、児童館、地域子育て支援センター等の複合的機能を有する「(仮称)子育て総合支援センター」の整備を目指し、新年度は、整備概要を策定いたします。
 また、子育て中の親子が気軽に集える「つどいの広場事業」の実施や子育てに関するさまざまな情報を一元的に提供できる「子育てガイドブック」を作成いたします。
 保育所の整備については、待機児童の解消と定員超え入所等の改善をはかるため、市内学校法人が本年4月の開設を目指している認可保育所の運営を支援いたします。

 第2は、『安全で人と地球にやさしい都市づくり』の推進であります。

 地球的視野に立った環境保全対策に取り組むとともに、快適さと、うるおいに満ちた環境共生型の生活環境を整備します。また、さまざまな災害から市民生活を守り、安心して暮らせる環境づくりや基盤整備を進めます。

 まず、地球環境の保全と資源の有効活用を促進する循環型社会の実現に向け、市民意識の啓発、情報・体験機会の提供を行うなど、環境学習の推進に取り組んでまいります。
 「ISO14001」については、認証取得から3年が経過しており、適切に実施・維持されているところであります。今後は、外部審査の登録によらず、これまで培ってきた知識経験を活かし、自らの責任において継続的改善に取り組むとともに、市民や事業者との連携により、このシステムの普及・拡大を積極的に推進いたします。
 さらに、住宅用太陽光発電システムの設置費用の一部助成など、環境負荷の少ない社会システムへの転換と普及啓発をはかってまいります。
 また、良好な自然環境の適正な保全のため、自然環境監視員等による監視や指導の強化に努めるとともに、自然に対する理解を深め、自然を大切にする心を育む各種事業を実施いたします。
 公害の監視・指導体制については、市民の健康と生活環境を守るため、大気、水、騒音などの環境の常時監視と発生源に対する規制、指導に努めてまいります。

 廃棄物行政については、循環型社会を形成するため、発生抑制、再使用、再生利用いわゆる「3R(スリー・アール)」や、熱回収、適正処理の各施策に取り組むこととしており、市民・事業者・行政の連携及び協働体制の構築に努めてまいります。
 特に「家庭ごみの有料化」については、発生抑制の施策として、導入に向けた取り組みを進めてまいります。
 廃棄物処理施設については、引き続き第3最終処分場の整備を進め、新年度一部供用開始を目指します。

 公園整備については、街区公園をはじめ勇舞公園及び長都緑地の整備を継続して実施いたします。また、大和近隣公園の用地取得を進めるとともに施設整備に着手いたします。
 千歳霊園の整備については、今後の墓所貸付要望に対応するため、第3期分の墓所造成に着手し貸付を行ってまいります。

 防災については、樽前山火山噴火災害への対策のほか、近年の全国各地における地震被害の発生状況や、石狩低地東縁断層帯を震源とした地震発生の可能性が公表されたことを踏まえ、地震被害の想定と応急対策を新たな千歳市地域防災計画に盛り込むとともに、市民参加の防災訓練を実施するなど、市民が安全で安心して暮らせる災害に強いまちづくりを目指します。
 千歳川の治水対策については、国から河川整備計画が示されたことから、現在、千歳川流域治水対策協議会において、内水対策などの課題の整理が行われており、市としても治水事業の早期整備促進に努めてまいります。
 複雑多様化する災害・事故等の対応については、市民の安全を確保するうえから、消防車両のほか、熱画像直視装置の導入等により消防装備の充実をはかるとともに、大規模災害発生時の水不足や大地震による水道管の寸断に対応する消防水利を確保するため、耐震性貯水槽を計画的に設置いたします。
 さらに、大規模災害に備えた緊急消防援助隊の一員として、東北・北海道ブロック合同訓練に参加し広域応援体制の強化をはかってまいります。
 火災予防については、防火対象物に対する立入検査をより強化し、違反是正とともに、火災や死傷者の発生防止のため、住宅防火の推進に努めてまいります。
 また、救急業務については、高齢化の進展等により、救急出動件数の増加が見込まれるなか、心肺停止者の救命率を一層向上させるため、救急救命士を含む救急隊員を計画的に養成するとともに、救急救命士の処置範囲の拡大に努めてまいります。
 さらに、応急手当を普及するため、市民を対象とした自動体外式除細動器(AED)使用を含めた救命講習会等を積極的に開催し、救急体制の充実・強化をはかってまいります。

 水道事業については、安全でおいしい水を供給するため、経年管の計画的な更新やろ過設備の改良による耐塩素性原虫(クリプトスポリジウム)対策を行うなど、安全管理向上の機能強化を進めるとともに、将来とも安定した供給を目指し、石狩東部広域水道企業団の拡張事業に取り組んでまいります。
 公共下水道事業については、市街地の拡大に合わせた計画的な整備を進めるとともに、引き続き蘭越地区の管渠整備や農村地区における合併処理浄化槽の設置など、下水道未整備地区の解消をはかり、生活環境の向上や河川環境の保全に努めてまいります。
 さらに、千歳市スラッジセンターの第2系列の建設を推進し、汚泥処理システムの安定化をはかってまいります。
 C経路緩衝緑地等の整備については、緑豊かな都市環境の形成のため用地取得を進めるとともに、C経路まちづくり事業として防災学習施設の実施設計に着手いたします。
 航空機の離発着時の電波障害の対策については、テレビ共同受信施設の整備を継続して実施いたします。
 市営住宅の整備については、将来の公営住宅等の効率的、総合的な活用を目的として策定した「千歳市公営住宅ストック総合活用計画」に基づき、うたり団地、北栄団地の建替工事を進めるとともに、高齢者の安定した居住の確保をはかるため、高齢者向け優良賃貸住宅制度を導入するなど、住環境に優れた住宅の供給に努めてまいります。

 第3は、『学びあい心ふれあう都市づくり』の推進であります。

 市民の生涯にわたる主体的な学習活動を促進し、まちづくりへの参加機会の拡大に努めるほか、本市の特性を活かした文化やスポーツの振興など、次代を担う心豊かな青少年を育成します。
 また、国内外との多様な交流活動を目指し、各種活動の支援や交流を促す環境づくりに取り組みます。

 生涯学習については、「生涯学習まちづくり推進計画」の実行段階として、「みんなで、ひと・まちづくり基金」を活用した事業展開をはかり、ひとづくり、まちづくりの中心的役割を担う人材の育成に努めてまいります。
 また、豊かな市民生活や活力ある地域社会を実現するため、市民の自主的な活動や交流を積極的に支援する拠点として「市民活動支援施設」の設置を検討いたします。

 教育の活性化と市民協働による教育を推進するため、「千歳市の教育を考える市民会議」を設置し、子どもから高齢者まで生涯を通した教育の現状と課題を明らかにするとともに、本市の特性を活かした新たな教育のあり方を検討いたします。
 教育環境の整備については、子供たちの快適な学習環境を確保するため、日の出小学校と祝梅小学校の暖房換気設備の機能更新を行うとともに、情報教育の推進をはかるため、千歳中学校と青葉中学校の教育用コンピュータを更新いたします。
 千歳科学技術大学については、昨年4月大学院に博士後期課程が開設され、9月には大学院棟が完成するなど、体制及び施設の充実がはかられております。
 また、文部科学省が高度教育における社会的要請の強い政策課題に対応した取り組みの中から特に優れたものを選定する「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」に、同大学の情報教育等に関する電子教材(e-Learning)の開発が採択されるなど、教育・研究機関として着実な歩みを進めております。
 今後も大学の更なる充実に向けて支援を行ってまいります。

 文化活動については、市民ニーズに対応した施設の充実をはかるため、文化活動の拠点である市民文化センターのリニューアル工事を実施いたします。
 工事期間中は、代替施設として他の公共施設等をはじめ、本年3月に閉校いたします長都小中学校を利用いただくこととしており、市民の皆さんの文化活動に支障のないよう努めてまいります。
 文化財の保護と活用については、文化財に対する理解を深めていただくため、郷土の文化財を紹介するホームページの充実をはかってまいります。
 スポーツの振興については、「市民皆スポーツ」の観点に立ち、体育団体の育成、社会体育施設の整備充実に努め、利用者の増加による全天候トラックの消耗に対処するため、青葉陸上競技場の走路改修を実施いたします。

 国際交流の推進については、民間交流団体や学校などへの協力支援、情報提供などを行うとともに、姉妹都市や友好親善都市との交流を進め、友好のきずなを深めてまいります。

 第4は、『魅力と活力あふれる都市づくり』の推進であります。

 市内外はもちろん、国際化の推進を目指し国内外との総合的な交通ネットワークの整備を進めるほか、地域の特性や都市景観を重視した都市開発、市街地整備を推進します。
 また、既存産業の振興とともに、研究開発機能の拡充とこれと結びついた各産業の新たな展開に取り組みます。

 地域情報化の推進については、千歳市地域情報化計画が前期5か年を経過することから、高度情報化に対応した情報通信基盤の充実や行政情報システムの確立をはかるため、後期5か年の計画を策定いたします。
 また、市民対象のパソコン講習を継続して開催するほか、市民の誰もが気軽にパソコンなどの情報通信機器を体験・利用できるようIT講習室開放事業を進めてまいります。
 さらに、「地域ポータルサイト」では、市民による情報交流とともに、市民や商業者などによる総合的な地域情報の受発信を行い、人とまちが創り出す情報サイトの充実に努めてまいります。
 国の「e-Japan戦略」に基づく「電子政府・電子自治体」を実現するため、全国の地方公共団体及び国の各府省を接続する「総合行政ネットワーク」の活用を進めてまいります。
 また、道内市町村と北海道がインターネットを利用した行政手続に必要な共通基盤システムを共同で構築する「北海道電子自治体プラットホーム構想」に参加し、電子自治体に向けた取り組みを進めてまいります。

 道路整備については、南26号道路、33号大通などの幹線道路や生活道路の整備を計画的に進め、道路の安全性や利便性の向上に努めてまいります。
 C経路の整備については、新年度に南28号長都橋の供用開始を予定しているほか、祝梅根志越線の第1メムシ橋の実施設計に着手いたします。

 新千歳空港については、新年度も引き続き滑走路延長に係る計画推進調査や既存滑走路・誘導路の改良などが実施されるほか、国際線旅客ターミナルの混雑に対処するため、空港サービス高度化に関する調査が予定されております。
 また、航空路線は、ソウル線や台北線の増便に加え、昨年11月にはオーストラリアケアンズ線が再開し、昨年の国際線旅客数は過去最高の約51万8千人となりました。
 今後とも、北の国際拠点空港を目指し、新千歳空港国際化推進協議会など、北海道や関係団体と協調しながら、新たな海外航空路線の開設など、旅客や貨物需要の拡大をはかってまいります。
 また、利用者の利便性や快適性を最優先に考え、狭隘化により混雑する国際線ターミナルの機能拡充、新千歳空港整備基本計画に基づく第2旅客ターミナルビルの早期整備を強く要望するなど、空港機能の充実に努めてまいります。
 国や北海道が実施している電線類地中化工事及びバリアフリー整備工事については、障害者や高齢者にやさしく、魅力ある都市景観を形成するため、平成19年度の完成を目指し、駅大通り(国道337号)と中央大通り(道道早来千歳線)の工事が実施されております。
 市といたしましても国や北海道と連携をはかりながら、安全で快適な生活空間の形成に努めてまいります。

 千歳オフィス・アルカディア事業につきましては、千歳アウトレットモール「レラ」のオープンが予定されており、これに伴い関連企業の進出などが予想されることから、千歳アルカディア・プラザが有する産業情報の提供並びに産業交流などの産業活動促進施策をさらに推進いたします。

 区画整理事業については、引き続き勇舞地区、勇舞第二地区及びおさつ駅みどり台地区の土地区画整理事業の促進をはかり、計画的な宅地の供給と魅力あるまちづくりに努めてまいります。
 また、勇舞地区、勇舞第二地区については、新年度予定している換地処分に合わせ住居表示を実施いたします。

 農林業の振興については、「千歳市新農業振興計画」に基づき、交通要衝都市型農業の確立、農業経営体質の強化、土地改良事業等による農業基盤の整備、都市と農村の交流促進、特定地域の振興、森林の整備と保護、特用林産物の振興という7つの基本方向に沿った施策を計画的に進めてまいります。
 特に、グリーンツーリズムの推進に向けて農業と観光の連携強化をはかるとともに、新年度に予定されている広域的な農業振興公社の設立に向け、関係機関等と協議を進めてまいります。
 また、引き続き森林の整備と保護に努めるとともに、昨年本市を襲った台風18号による森林被害の復旧対策を講じてまいります。
 駒里地域の振興については、「農村再生特区」の利点を活かし、駒里地域活性化促進協議会と連携しながら新規就農者の誘致活動を行うなど、活性化をはかってまいります。
 支笏湖におけるヒメマスの保護対策については、北海道など関係機関と連携をはかりながら、ふ化放流事業の円滑な実施とともに、釣りマナーの徹底に努めてまいります。

 工業の振興については、高度な技術力を持つ企業の集積を目指す「匠の技誘致事業」をはじめ、「工業団地のリース」や「市内空き工場の活用」などの初期投資軽減事業のほか、本市の優れた特性を全国の企業に知っていただくために「立地環境PR活動推進事業」を実施し、積極的な誘致活動により企業立地を促進してまいります。
 ホトニクスバレープロジェクトについては、ホトニクスワールドコンソーシアムの運営機能の強化や事業の活性化に期待するとともに、千歳科学技術大学の学術研究機能を最大限に活かしながら、産学官連携による研究開発活動を促進し、新産業や新技術の創出・育成と光関連産業の集積をはかってまいります。

 中心市街地の活性化については、中心市街地活性化の核として位置づけております旧エスプラザビルの活用について、当該ビルを取得した北海道空港株式会社とともに本年3月12日の再開に向けて準備を進めております。
 市は、1階の一部を借り上げ、千歳市商店街振興組合連合会を窓口に、商業テナントの誘致を行っており、魅力と賑わいのある中心市街地の再生につなげてまいりたいと考えております。
 また、千歳商工会議所がTMO構想として推進する「チャレンジショップ事業」や「空き店舗利用促進事業」については、事業が円滑に推進されるよう引き続き支援してまいります。
 労政については、北海道の雇用情勢は、依然として厳しさが残るものの、回復傾向がみられております。本年4月末には、大型商業施設千歳アウトレットモール「レラ」のオープンに伴う大規模な新規雇用も予定されるなど、市民の雇用状況に明るい材料もありますが、新年度もワークシェアリング事業を継続するとともに、ハローワークなど関係機関と連携しながら、雇用情報センターを通じて市民の就業活動を支援してまいります。

 観光の振興については、「千歳市観光基本計画」に沿って、「観光振興アクションプラン」を策定するとともに、社団法人千歳観光連盟をはじめとした市内観光事業者と協働・連携し、様々な観光振興事業に取り組みます。
 また、観光客誘導策として道の駅「サーモンパーク千歳」やアウトレットモールなどの新たな観光拠点を活用し、市街地と結ぶ「にぎわいトライアングル」の創出に取り組むとともに、支笏湖・農村地区等への観光誘導のための情報発信機能の強化に努めてまいります。
 さらに、本市の観光拠点である支笏湖地区において進められている環境省の「緑のダイヤモンド計画」を促進し、観光資源の整備をはかるとともに、自然環境の保全と適正な利用をはかりながら、支笏湖地区の観光事業者、NPO法人、そして地域住民の皆さんと協働し、観光ニーズに対応した観光地づくりを進めてまいります。

 第5は、『参加と連携による都市づくり』の推進であります。

 性別や年齢を問わず、多様な市民参加の場づくりに努めるとともに、地方分権への対応を見据え、市民と行政による新たな相互関係を構築します。
 また、行政運営の改革や広域的な市町村連携事業を推進します。

 地方自治体を取り巻く環境が大きく変化する中で、少子高齢化や市民ニーズの多様化に対応するためには、市民、市民公益活動団体、事業者、行政がその特性に応じて役割を担い、それぞれが主体となって地域づくりに取り組むことが重要と考えております。
 本年度に予定しております「都市経営会議」からの提言を踏まえ、市民の権利を守り活動をサポートするための基礎となる市民協働推進条例等のあり方を検討するなど、市民の皆さんとともに「市民主体・市民協働のまちづくり」を進めてまいります。
 男女共同参画社会の実現については、「ちとせ女性プラン」に基づき、日常の中に根強く残る性別による役割分担意識の解消など、男女平等の理念に立った意識の啓発に努めてまいります。

 行政改革の推進については、厳しい財政状況の中で、多様化する行政課題や市民ニーズに対応するため、第4次行政改革を推進し、公の施設の管理運営について「指定管理者制度」を積極的に導入するとともに、保育所の給食調理業務の民間委託など、経費の削減や市民サービスの向上に努めてまいります。
 また、勤務意欲と高い専門性を備えた職員を育成するため、新たに「人事評価システム」導入について検討を行うとともに、経営感覚とコスト意識を養うため民間派遣研修を引き続き実施するなど、職員の意識改革と組織の活性化をはかり、職員の能力を最大限に活かした行政運営、簡素で効率的な市役所づくりを進めてまいります。
 行政評価については、全事業を対象とした事務事業評価の継続と改善を推進するとともに、新たに施策評価及び公共事業評価の導入に取り組み、行政評価システムの構築に努めてまいります。

(むすび)

 以上、平成17年度の市政執行に臨む私の所信を申し上げました。
 今、地方は、中央に長く依存してきた結果、かつて地域社会に根付いていた自助・互助の精神が、希薄になっていると言われております。
 このようなときこそ、自分たちのまちは、出来るだけ自分たちの手でつくり上げていこうとする自立心を持つことが大切であり、すなわち「市民力」によって、自らの手で地域を創造することが求められております。
 市民の皆さん、どうか、それぞれの分野における活動を通じて、持てる力を十分に発揮していただき、豊かな地域社会を実現してまいりましょう。
 道は険しく困難に満ちておりますが、私は、9万1千市民の幸せのため「活力が循環する都市(まち)」を目指し、先頭に立って「みんなで夢実現」に向かって全力を尽くしてまいります。

 市民の皆さんと市議会議員各位のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。