(はじめに)

 平成16年第1回定例市議会の開会にあたりまして、新年度の市政運営の基本方針並びに主要な政策についての考えを申し上げ、市議会議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご協力をたまわりたいと存じます。

 本年は、私にとりまして、市長就任2年目を迎えることとなりますが、これまでを振り返りますと、様々な課題に直面した1年であり、市長としての使命とその責任の大きさ、重さを痛感したところであります。
 このような中で、新たなる市政に向けて、その一歩を踏み出すことができましたことは、市議会並びに市民の皆さまの深いご理解とお力添えのたまものと、ここにあらためて感謝を申し上げますとともに、一層のご支援をお願い申し上げる次第であります。

 さて、世界においては、大量破壊兵器開発疑惑に端を発したイラク戦争における主要な戦闘の終了後も、イラク国内においてはテロが相次ぎ、日本人外交官の殉職という忘れることができない悲しい出来事も起こりました。
 イラク国内は未だテロによる戦闘状態が続いており、また、失業者によるデモ隊の一部が暴徒化するなど、治安情勢は厳しい状況にありますが、政府は日本が国際社会の責任ある一員として、資金的な支援のみならず、人的支援による積極的な国際貢献を果たす必要があるとして、一日も早いイラク復興と中東地域安定のため、人道復興支援活動にあたる自衛隊の派遣を決定したところであります。
 昨年末の航空自衛隊先遣隊に続き、本年1月には陸上自衛隊の先遣隊、航空自衛隊の本隊を、2月には陸上自衛隊、海上自衛隊の本隊を派遣したところであり、私は、日本一の自衛隊基地を抱えるまちの首長として、大変難しく重い問題と受け止めておりますが、市民の理解と支援のもと隊員の皆さまが安全で、安心して任務を遂行されることを願っており、このことが、イラク情勢の安定化につながることを期待するところであります。
 市といたしましても、留守を預かるご家族の不安を少しでも解消できるよう、できる限りの支援をしてまいりたいと考えております。
 イラクの復興や、長期化している北朝鮮の拉致問題あるいは核開発疑惑の真相解明は、国際社会の安定に極めて大きな意味があり、これらが一刻も早く解決され、民族や宗教による紛争が根絶された、平和で安定した国際社会が実現することを心から願うものであります。

 グローバル化が進んでいる世界経済は、特にアメリカでは、景気は力強く回復しており、アジアでも、中国、タイ、マレーシアで景気の拡大傾向が続いているほか、その他の国においても景気回復の動きが見られるなど、着実に回復しているとの見方がなされているところであります。
 一方、我が国の経済は、デフレ不況が長期化し、雇用情勢は完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しい状況にありますが、景気は、北海道ではやや弱含んでいるものの、全国的には設備投資の増加や輸出に支えられ、着実に回復しているとの見方がなされており、今後、個人消費の拡大や雇用情勢の改善が図られ、景気回復への力強い足音が聞こえることを期待するものであります。

 このような状況のもと、国においては日本経済の再生に向けて、規制改革の推進、金融再生プログラムの推進、税制改革、社会保障制度改革、「三位一体の改革」等の構造改革と併せ、持続可能な財政構造の構築を図ることとし、平成16年度予算につきましても、改革断行予算を継続し、歳出全体を厳しく見直すこととしております。
 特に、地方財政におきましては、国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲の「三位一体の改革」を推進し、地方分権の推進と国・地方を通じた簡素で効率的な行財政システムの構築を図ることとしております。
 「三位一体の改革」では、地方分権を進める上で最も重要である税源移譲について一定の方向性が示されたものの、税源移譲の規模、内容等については不十分であり、また、地方歳出の見直し、削減による地方財政計画規模の抑制は、地方の基幹財源である地方交付税の大幅な減少につながっており、本市の平成16年度予算編成に極めて大きな影響を及ぼしております。
 このことは、本市が現在、取り組みを進めております財政健全化対策による、徹底的な歳出削減効果を皆無にするに等しいものであり、同対策の見直しが必至の状況にありますが、地方財政の先行きは非常に不透明で、正に、視界不良の状況となっております。
 そのほか、道州制あるいは市町村合併問題など、これからのまちづくりを左右する重要課題が山積しており、地方を取り巻く環境は大変厳しい状況にあるとともに、大きな変革期を迎えていると考えております。

 私は、このようなときこそ、自らの手で地域を創造することが求められており、そのためには、「市民力」即ち、自分たちのまちは、できるだけ自分たちの手でつくり上げていこうとする自立心を持つことが大切であると考えます。
 そして、これからのまちづくりの基本である「市民主体、市民協働の都市経営」への転換を進め、北の拠点となる空港機能と優れた交通アクセス、豊かな自然に恵まれた国立公園支笏湖、清流千歳川などの地域資源を最大限に生かして、9万市民が生涯にわたり充実し、心豊かな生活を送ることができる「活力が循環する都市(まち)」をめざし、決意も新たに「みんなで夢実現」に向かって全力を尽くしてまいります。

 

(市政運営の基本姿勢)

 ここで、今後の市政運営に臨む基本姿勢について申し上げます。


 まず、第1に、『市民主体、市民協働の都市経営の推進』であります。

 国・地方を通ずる財政環境は、今後ますます厳しくなると予想され、少子高齢化や市民ニーズの多様化などに行政が全て対応していくことは難しくなるものと考えております。
 このような状況のもと、地方分権時代に対応した自主・自立のまちづくりを進めるには、市民の皆さまとともに課題に取り組み、協力しながら市政を進める「市民主体、市民協働のまちづくり」が必要であり、そのためには「市民の力」即ち「市民力」を活かしていくことが重要であると考えております。
 このことから、「市民協働のまちづくり」の確立に向けた取り組みを行う上で中心的役割を担う「都市経営会議」において、市民の皆さまとともに、これからの千歳のまちづくりにかかる主要なテーマを議論してまいりたいと考えております。
 

 第2に、『公平・公正、開かれた市政の推進』であります。

 私は、市政の推進にあたりましては、市民の皆さまの立場に立った「公平・公正な市政」、情報公開、資産公開などによる「市政の透明化」が基本と考えており、これまでも積極的に市政に関する情報を公開してまいりました。
 さらに、新たな取り組みとして、本年1月から市のホームページに「市長の部屋」を開設し、私の行動記録、交際費の支出状況などを広く公開しております。
 また、「市長の出前講座」を活用するなど、機会あるごとに千歳市の現状とまちづくりの課題について、私の考えを直接多くの市民の皆さまに伝えてまいりましたが、今後も「市長の出前講座」のほか、「市長相談日」や「市政懇談会」、「市長への手紙・ポスト」などを通じ、市民の皆さまの声を市政に反映させるとともに、「広報ちとせ」の充実を図るなど積極的に市政を公開し「開かれた市政」を進めてまいります。


 第3に、『21☆千歳きらめきプランの推進』であります。

 21世紀のまちづくりの指針であります新長期総合計画「21☆千歳きらめきプラン」は計画の中期に差し掛かりました。
 これまでの進捗状況は、概ね順調に推移してきたものと考えておりますが、今後につきましては、財政状況がますます厳しくなると予想されることを踏まえ、本市が有する大きな可能性を活かしながら、より一層、創意工夫を重ね、この計画がめざす将来都市像の実現に努めてまいります。

 

(新年度予算)

 次に、新年度予算について申し上げます。
 平成16年度の予算編成にあたりましては、長引く景気低迷による厳しい財政環境のなかで、2年次目となります財政健全化対策を踏まえ、「新規事業の凍結」、「内部管理経費の徹底した削減」、「公共事業の削減」を基本とし、少子高齢化への対応など多岐にわたる課題に対処するとともに、「活力が循環する都市(まち)」の実現に向け最大限の取り組みを行ったところであります。
 重点課題といたしましては、「中心市街地活性化の推進」、「大和地区いきいき保健・福祉プランの推進」、「千歳駅周辺の機能的整備の促進」、「世界に開かれた交流都市づくりの推進」、「財政の情報公開と健全化の推進」の5点を位置付け、さらに、新長期総合計画に掲げる五つの都市づくりの目標に沿って予算編成を行いました。

 この結果、一般会計で378億8,585万8千円、7特別会計総額で171億8,608万9千円、3公営企業会計総額で138億  2,263万4千円、全会計総額では688億9,458万1千円となり、前年度の政策予算を追加した平成15年第2回定例市議会における予算補正後との対比では、36億7,134万円、5.6パーセントの増となっております。
 なお、予算の細部につきましては、別に「平成16年度千歳市各会計予算大綱」でご説明いたします。

 

(重点課題)

 次に、当面する重点課題について申し上げます。


 まず、第1に、『中心市街地活性化の推進』であります。

 中心市街地を取り巻く環境が厳しさを増すなか、魅力ある中心市街地を再生するためには、創意工夫による商店街の近代化や民間投資の誘導などを進めるとともに、関係機関との連携・協力の強化を図り、官民一体となった取り組みを行うことが重要であります。
 活性化を推進するためには、TMO構想に示された事業の実現が不可欠でありますことから、TMO構想推進事業者(TMO)であります千歳商工会議所の取り組みに対し積極的な支援をしてまいります。
 また、中心市街地活性化の中核施設に位置付けられております旧エスプラザビルの早期再開に向けた取り組みを進め、魅力と賑わいのある中心市街地の再生につなげてまいりたいと考えております。


 第2に、『大和地区いきいき保健・福祉プランの推進』であります。

 高齢化の急速な進展により、これまでの社会・経済システムは大きく見直しが迫られており、特に将来の年金や医療制度などは市民生活の根幹にかかわることであり、その影響が懸念されるところであります。
 このような状況を踏まえつつ、高齢者が住み慣れた地域や家庭で健康で生き生きと暮らし、「長生きを喜べる地域社会」の実現をめざしたきめ細かな施策の推進が必要と考えておりますことから、引き続き「大和地区いきいき保健・福祉プラン」を推進し、高齢者が安心して自立した生活を送ることができる環境整備を進めてまいります。


 第3に、『千歳駅周辺の機能的整備の促進』であります。

 利便性の高い活力ある都市空間の形成が中心市街地の活性化につながることから、千歳駅を中心とした鉄道とバスとの交通結節点の改善・強化として、バスターミナル機能の整備やバス路線網の再編などによる公共交通体系の整備を行い、市民の利便性のより一層の向上を図ってまいります。
 併せて、駅前広場の整備や国及び北海道において実施が予定されている電線類の地中化事業などにより、魅力的な都市景観の形成に努めてまいります。


 第4に、『世界に開かれた交流都市づくりの推進』であります。

 国際交流都市として、世界に開かれた魅力あるまちづくりを推進するためには、空港機能を活用した海外諸都市との交流や国際交流に関する市民活動等への協力支援、情報提供など、市民が国際理解を深め、外国人とふれあう交流機会を充実することが必要であります。
 このことから、国際会議の開催などにより千歳を世界に発信するとともに、姉妹都市アンカレジ市や指宿市と、市民参加のもと、学校間や文化、観光などの交流を積極的に進め、両市の親善交流の輪をさらに広げてまいります。


 第5に、『財政の情報公開と健全化の推進』であります。

 長期にわたる景気低迷などから国の財政は危機的な状況に陥っており、国が進める「三位一体の改革」による地方交付税等の大幅な削減となって地方財政に大きな影響を及ぼし、今後の地方財政見通しを不透明なものにしております。
 また、北海道におきましても、財政状況の悪化を受けて、「財政立て直しプランの基本方針」を定め、受益者負担の見直しや各種補助金などの削減に取り組むこことしており、市民生活への影響が避けられない状況となっております。
 本市においても大幅な財源不足が見込まれており、現在、取り組みを進めている財政健全化対策を着実に推進することが、逼迫した財政状況から脱却し、千歳の未来を確かなものにするために極めて重要でありますことから、徹底した行財政改革に取り組み、不要不急の事業の見直しや事業の重点化などにより、歳出の削減・効率化を確実に進めるなど、財政健全化に不退転の決意で取り組んでまいります。
 財政問題は市民サービスへの影響が大きいことから、大変重い課題であると認識をいたしており、市民の皆さまに市の財政状況をもっと身近に知っていただき、一緒に考えていただけるよう、わかりやすい形での情報公開に努めてまいります。

 

(主要な施策)

 次に、五つの都市づくりの目標ごとの主要施策について申し上げます。


 第1は、『心がかよい幸せ感じる都市づくり』の推進であります。

 すべての市民が心身ともに健康で、生きる喜びを実感しながら暮らしていけるよう、保健・医療・福祉のサービス基盤を整えるとともに、子育てや、高齢者、障害者などハンディキャップを持つ人たちを地域ぐるみで支援していきます。また、地域の一員としての市民意識を高めながら、コミュニティの主体的な活動を育みます。
 まず、保健予防対策につきましては、乳幼児から高齢者まですべての市民の健康づくりを推進するため、市民への健康教育や健康相談等の支援体制の充実を図るとともに、健康診査内容の拡大と受診率向上に努めてまいります。
 また、新たに健康的な生活習慣づくりと生活習慣病の予防として、市民の健康づくりの目安となる具体的な目標を設定し、市民一人ひとりが自ら実行し、健康的な生活習慣を身につけることができるよう、「健康増進計画」の策定を進めるほか、「健康づくりとまちの発見」として「まちなかウォーキング」を推進してまいります。

 医療につきましては、高齢化の進展、疾病構造の変化、医療技術の進歩等により、求められる医療ニーズが多様化しており、これらに適切に応えていくための、医療体制の充実が求められております。
 このことから、市民病院におきましては、市民から「私たちの病院」と呼んでもらえる病院の実現をめざし、地域の基幹病院として、高度医療の提供、診療体制、救急医療体制の充実を図るとともに、地域の医療機関との連携による相互補完体制を強化してまいります。
 また、医療機関としての機能の改善・向上を図るため、第3者評価による「病院機能評価」の認証取得に向けた取り組みを進めるなど、市民の信頼を高めるとともに、市民ニーズに応えることのできる体制づくりを進めてまいります。

 高齢者福祉につきましては、高齢者のだれもが生きがいとうるおいに満ち、安心して生活できる「活力のある高齢社会」の実現に努めてまいります。
 また、大和地区に整備を予定しております軽費老人ホーム(ケアハウス)建設用地の取得を行うなど、引き続き「大和地区いきいき保健・福祉プラン」を推進してまいります。

 介護保険制度につきましては、利用者が安心して必要な介護サービスが受けられるよう、サービスを支える人材の養成に努めるとともに、本年5月にオープンが予定されている、特別養護老人ホーム「やまとの里」の整備により、介護サービス体制の一層の充実を図るなど、介護サービスの質的向上と、利用者本位の事業運営を進めてまいります。

 障害者福祉につきましては、ノーマライゼーションの理念に基づき、地域共同作業所の運営支援など、障害をもつ方々が生活しやすい環境づくりや社会参加の促進に努めるとともに、難病患者等居宅生活支援事業として、日常生活用具給付事業を実施することにより、難病患者の自立と社会参加、家族介護負担の軽減を図ってまいります。
 また、福祉の店「るぴなす」事業につきましては、所期の目的を達成したことから廃止いたしますが、新たな対応として各種相談や情報交換など地域生活の自立支援を行うための「障害者総合支援センター」の事業内容の拡大を図るなど、障害をもつ方々の活動支援に努めてまいります。

 児童福祉につきましては、子どもを持ちたいと思う人が、安心して子どもを生み、健やかに育てることができる環境づくりのため、出生から育児までを地域全体で支援する、平成17年度を初年度とする新たな「子育て支援計画」を策定いたします。


 第2は、『安全で人と地球にやさしい都市づくり』の推進であります。

 地球的視野に立った環境保全対策に取り組むとともに、快適さと、うるおいに満ちた環境共生型の生活環境を整備します。また、さまざまな災害から市民生活を守り、安心して暮らせるための環境づくりや基盤整備を進めます。

 まず、地球環境の保全と資源の有効活用を推進する循環型社会の形成に向け、市民意識の啓発、情報・体験機会の提供を行うなど、環境学習の推進に取り組んでまいります。
 また、環境負荷の低減を図るため、引き続き「ISO14001」の認証取得範囲を広げ、システムの継続的改善と適切な運用を図るとともに、これまで培った技術的知識を地域の事業者に提供する手法づくりを進めてまいります。
 さらに、「千歳市環境基本計画」に基づく地球温暖化防止対策の一環として、住宅用太陽光発電システムの設置者に対して設置費用の一部助成を行い、環境負荷の少ない新エネルギーシステムへの転換と普及促進を図ってまいります。

 公害の監視・指導体制につきましては、市民の健康と生活環境を守るため、大気、水、騒音などの環境の常時監視及び発生源に対する規制、指導の徹底を図ってまいります。
 また、良好な自然環境の適正な保全のため、自然環境監視員等による監視や指導の強化に努めるとともに、自然に対する理解を深め、自然を大切にする心を育むことを目的とした各種事業を実施してまいります。

 清掃行政につきましては、廃棄物収集システムの合理化・効率化や分別収集品目の拡大と適正な処理費用負担の検討など、廃棄物の排出抑制及び資源リサイクルの推進に努めるとともに、近年増加しているゴミの不法投棄対策として、適正排出の指導・啓発の徹底、パトロールの強化などを講じてまいります。
 また、廃棄物処理施設につきましては、ダイオキシン類の排出抑制として、引き続き焼却施設の2号炉の改造を行うとともに、破砕処理施設の重機整備や平成17年度一部供用開始をめざし、第3最終処分場の整備を進めてまいります。

 公園整備事業につきましては、街区公園などの整備を引き続き実施するとともに、大和地区土地利用計画に基づき大和近隣公園の整備に着手してまいります。
 C経路緩衝緑地等の整備につきましては、まちづくり構想を踏まえ、現況測量の実施を予定しており、引き続き早期事業化に向けた取り組みを進めてまいります。

 市営住宅の整備につきましては、うたり団地の建て替え工事を進めるとともに、新たに北栄団地の建て替えに着手してまいります。
 また、住宅マスタープランに基づき、既存公営住宅等ストックの有効活用を図るために、建替、改善等の各種整備内容や、計画修繕を含む適切な維持保全について定める「公営住宅総合活用計画」を策定してまいります。

 千歳霊園の整備につきましては、墓所の貸付区画のうち最も需要の多い4平方メートルの貸付が平成17年度で終了する見通しとなったことから、今後の貸付要望に対処するため、第3期分の墓所造成に向けた実施設計などを行ってまいります。

 水道事業につきましては、市民生活に欠くことのできない安全でおいしい水を供給するため、経年管の計画的な更新と、沈殿施設に上屋を設置するなど、浄水施設の安全管理向上のための機能強化を進めるとともに、将来とも安定した供給を行うため、石狩東部広域水道企業団の拡張事業に取り組んでまいります。

 公共下水道事業につきましては、計画的な整備を進めるとともに、市街地の浸水対策として、引き続き雨水増強管工事を行い、生活環境の向上や河川など公共用水域の水質保全に努めてまいります。
 また、蘭越地区の管渠整備を進めるほか、農村地域を対象とした個別排水処理施設の普及促進により、下水道未整備地区の解消に努めるとともに、汚泥処理システムの安定化を図るため、千歳市スラッジセンターの第2系列の建設を進めてまいります。

 防災につきましては、近年の各種大規模災害を教訓とし、また、樽前山火山噴火災害を想定した総合防災訓練の結果等を踏まえ、千歳市地域防災計画を全面的に見直し、より実態に即したものに改訂するとともに、万一の事態に備え、千歳市防災行政無線の整備を進めてまいります。
 さらに、駒里地域振興策の一環でもあります、千歳川流域の洪水時における円滑かつ効率的な水防活動及び緊急復旧活動を行う拠点としての水防センターの整備を進めるなど、市民が安全で安心して暮らせる災害に強いまちづくりをめざしてまいります。

 消防につきましては、複雑多様化する災害・事故等に対応し、市民の安全を確保するため、消防車両及び資機材を整備するとともに、大規模災害発生時の水不足や大地震による水道管の断絶に対応する耐震性貯水槽を計画的に設置してまいります。
 救急業務につきましては、救急救命士による救命処置の範囲拡大を行うためのメディカルコントロール体制を構築し、心肺停止患者の救命効果の向上を図るなど、救急体制の充実強化を図ってまいります。

 千歳川の治水対策につきましては、国と北海道及び流域自治体・関係団体などで構成する「千歳川流域治水対策協議会」において、内水対策などの課題の整理を行い、治水事業の促進に努めてまいります。


 第3は、『学びあい心ふれあう都市づくり』の推進であります。

 市民の生涯にわたる主体的な学習活動を促進し、まちづくりへの参加機会の拡大に努めるほか、本市の特性を生かした文化やスポーツの振興、次代を担う心豊かな青少年の育成を進めます。また、国内外との多様な交流活動をめざし、各種活動の支援や交流を促す環境づくりに取り組みます。

 まず、市民の主体的な活動を支援するため、人材育成、情報学習、環境学習、女性の自立支援等の機能を持ち、市民が気軽に交流できる拠点施設の整備として、「市民活動サポートセンター」を開設し、多様な市民活動を推進するための体制づくりを進めてまいります。

 生涯学習につきましては、「生涯学習まちづくり推進計画」の実行段階として、市民の生涯学習に対する参加意識や関心を高めるとともに、市民の主体的な学習活動を支援するための情報の提供や活動の拠点を整備するなど、自主自立の人づくりを推進するための基盤づくりを進めてまいります。
 また、「市民協働のまちづくり」を進めるためには、人材の育成や市民活動をより一層活発化することが求められることから、新たに「みんなで、ひと・まちづくり基金」を活用した事業展開を図りながら、「一人ひとりの魅力がまちの活力となり、人や活動が輝くまちづくり」をめざしてまいります。

 教育環境の整備につきましては、学校施設の機能充実のため、老朽化している桜木小学校校舎の外壁改修等を実施するとともに、将来の生徒数増加に伴う富丘中学校の大規模校化が予想されることから、この解消に必要な用地を確保するため、富丘中学校分離校建設用地の先行取得を行ってまいります。
 また、障害のある児童生徒が、その種類や能力に応じた学習が受けられるよう、向陽台小学校に肢体不自由特殊学級を開設し、特殊教育の充実を図ってまいります。
 そのほか、昨年度から市内9中学校において試行を行っておりました、「電子学習システム」を本格導入し、学力の向上を図ってまいります。

 スポーツの振興につきましては、「市民皆スポーツ」の観点に立ち、体育団体の育成、社会体育施設の整備充実に努めることとしており、新年度は末広小学校プール本体の改修等を実施してまいります。
 文化活動につきましては、市民による自主的な活動を支援するとともに、市民ニーズに対応した環境整備として、文化活動の拠点であります市民文化センターのリニューアルに向けた基本・実施設計を進めてまいります。

 図書館機能の充実につきましては、平成17年4月からインターネットや携帯電話からも図書の検索・予約が行えるよう、図書館情報システムの更新に併せ、これらの機能を追加したシステムの導入を行い、利用者の利便性の向上を図ってまいります。

 千歳科学技術大学につきましては、本年4月に新たに博士後期課程が設置されるなど、大学運営の充実が図られてきております。今後とも、教育・研究機関としての更なる充実に向けて支援を行ってまいります。

 国際交流の推進につきましては、本年6月に国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)の合同技術委員会による国際会議「SC25千歳会議」が開催される予定となっておりますことから、関係機関と調整を図りながら会議の成功に向けて万全を期してまいります。
 姉妹都市交流では、指宿市との姉妹都市提携10周年を迎えますことから、これまでの歩みを紹介した交流展の開催を予定しております。
 また、長年にわたり民間レベルでの交流を続けております中国吉林省・長春市との交流につきましては、友好都市提携要請を踏まえ、そのあり方について検討してまいります。

 そのほか、開校から100年以上の歴史を誇る、長都小中学校が平成17年3月をもちまして、その長い歴史に幕を閉じることとなりましたことから、その閉校にあたり記念事業を実施してまいります。
 さらに、本年は文化2年、その地名を「シコツ」から「千歳」に改めてから200年の節目の年を迎えておりますことから、先人の偉大なる業績と郷土の歴史を振り返り、「千歳命名200年記念事業」を行ってまいります。


 第4は、『魅力と活力あふれる都市づくり』の推進であります。

 市内外はもちろん、国際化の推進をめざし国内外との総合的な交通ネットワークの整備をさらに進めるほか、地域の特性や都市景観を重視した都市開発、市街地整備を推進します。また、既存産業の振興とともに、研究開発機能の拡充とこれと結びついた各産業の新たな展開に取り組みます。

 新千歳空港につきましては、新年度も引き続き滑走路延長に係る計画推進調査や既存滑走路・誘導路の改良などが実施されるほか、国際線旅客ターミナルの混雑問題に対処するため、空港サービス高度化に関する調査が予定されております。
 また、第2旅客ターミナルビルにつきましては、利用者の利便性や快適性を最優先に考え、新千歳空港整備基本計画に基づく早期整備を強く要望するなど空港機能の充実に努めてまいります。
 航空路線につきましては、ホノルル線の運休など厳しい状況にありますが、今後とも、北の国際拠点空港をめざし、新たな海外航空路線の開設など、旅客や貨物需要の拡大に努めてまいります。

 千歳駅周辺の整備につきましては、本年4月から駅と直結する連絡通路の供用を開始するとともに、バスターミナル機能を活用した新たなバス路線網が運用開始いたします。
 また、魅力ある都市景観の形成として国及び北海道が実施する駅大通り(国道337号)と中央大通り(道道早来千歳線)の電線類地中化事業の着手が予定されており、市も連動した取り組みを進めながら、安全で快適な生活空間と良好な景観の形成に取り組んでまいります。

 区画整理事業につきましては、引き続き組合施行による勇舞・勇舞第二地区及びおさつ駅みどり台地区土地区画整理事業の促進を図り、計画的で魅力ある宅地の供給に努めてまいります。
 道路整備につきましては、幹線道路や生活道路の整備を計画的に進めるとともに、大和地区都市基盤整備として、東13号・南7号道路の整備など、市民生活に密着した道路の安全性、利便性の向上を図ってまいります。
 C経路の整備につきましては、昨年末のJR跨線橋に続き、新年度には東4線長都橋の供用を開始するとともに、第2祝梅橋を含む祝梅根志越線の実施設計に着手するなど、「C経路対策の基本方針」に基づき、沿線開発と整合を図りながら引き続き推進してまいります。

 工業の振興につきましては、製造業をはじめ研究開発型産業や物流産業など、産業構造の変化に対応できるよう多業種にわたる企業誘致を進めているところでありますが、今後も、千歳科学技術大学と連携を図り、これまでの企業訪問で蓄積した多くの情報を生かしながら、IT産業などを中心に積極的な誘致活動を進め、企業立地の促進を図ってまいります。
 千歳オフィス・アルカディア事業につきましては、産業業務支援中核施設の千歳アルカディア・プラザが有する機能を活用した産業情報の提供、企業育成・研究開発の促進並びに産業交流促進などの産業活動促進施策をさらに推進してまいります。
 ホトニクスバレープロジェクトにつきましては、ホトニクスワールド・コンソーシアムの組織強化と事業内容の充実を期待するとともに、千歳科学技術大学の学術研究機能を最大限に生かしながら、産・学・官連携による研究開発活動を推進し、新産業や新技術の創出・育成及び光関連産業の集積を図ってまいります。

 地域情報化の推進につきましては、「千歳市地域情報化計画」に基づき、高度情報化に対応した情報通信基盤の充実や行政情報システムの確立を図るため、市民対象のIT講習を継続して開催するほか、子供からお年寄りまで市民の誰もが気軽にパソコンなどの情報通信機器を体験・利用できる情報拠点の整備を進めてまいります。
 また、e-まちづくり事業により構築した「地域ポータルサイト」を活用し、総合的な地域情報の受発信を行うなど、情報通信基盤を活用した情報提供、情報交流の充実に努めるとともに、国の「e-Japan戦略」に基づく、「電子政府・電子自治体」の実現を図るため、北海道電子自治体プラットホーム構想へ参加し、「総合行政ネットワーク」構築に必要なシステムの確立に向けた取り組みを進めてまいります。

 中心市街地の活性化につきましては、千歳商工会議所がTMO構想に示された事業の実現に向けた具体的な取り組みとして、「チャレンジショップ事業」や「空き店舗利用促進事業」に着手したことから、市といたしましても、事業が円滑に推進されるよう積極的な支援をしてまいります。
 また、中心市街地活性化の核として位置付けております旧エスプラザビルの活用につきましては、ビルの一部の公的利用として、「市民活動サポートセンター」を開設してまいります。
 労政につきましては、北海道の雇用情勢は依然として厳しい状況にありますことから、新年度におきましても、国の緊急地域雇用創出特別交付金事業として6事業の実施を予定しており、延べ1,630人の雇用創出を図ってまいります。
 また、本市独自の緊急雇用対策事業として2事業、延べ600人の雇用創出を図るほか、引き続きワークシェアリングにも取り組むなど、雇用対策を積極的に進めてまいります。
 さらに、ハローワークなど関係機関との連携を図りながら、雇用情報センターの活動を通して市民の就業活動を支援してまいります。

 観光の振興につきましては、本市の観光拠点であります支笏湖地区における「緑のダイヤモンド計画」を推進するとともに、支笏湖地区の活性化に向けた地域の主体的な取り組みを支援するなど、優れた自然環境の保全と利用を図ってまいります。
 また、雪や温泉など北海道が有する資源や海外航空路線を活かし、外国人観光客の誘致を進めるなど、新しい観光ニーズに対応した観光地づくりに取り組んでまいります。
 さらに、新たな観光客誘導策として「千歳市サーモンパーク」を通年で利用客が見込める「道の駅」に登録するための準備を進めるとともに、千歳駅西口の民間ビル内に社団法人千歳観光連盟が開設を予定しております「観光案内所」設置に対する支援を行ってまいります。
 支笏湖におけるヒメマスの保護対策につきましては、さけ・ます資源管理センター及び北海道との連携を図りながら、ふ化放流事業の円滑な実施とともに、釣りマナーの徹底を図ってまいります。

 農林業につきましては、「千歳市新農業振興計画」に基づき、道営の土地改良事業など農業基盤整備を計画的に進めるとともに、農産物直売活動など都市と農村の交流支援、新規就農者及び就農研修受け入れ農家への助成など、農業経営体質の強化・改善に努めてまいります。
 また、経営感覚に優れた認定農業者や中核農家を育成し、経営展開に必要な低利な制度資金の活用などの支援措置を講じるとともに、森林の整備と保護に係る対策に努めてまいります。
 畜産経営の安定化につきましては、引き続き市営牧場の規模拡大やふん尿処理施設の整備を行うほか、畜産環境整備リース事業に係る受益者負担の軽減対策を講じてまいります。 
 広域による農業振興公社の設立につきましては、平成17年3月設立に向けて関係機関等との協議を進めてまいります。
 駒里地区の地域振興につきましては、昨年8月に設置されました「駒里地域活性化促進協議会」において、農業の振興と地区の活性化について協議することとしており、「特定地域振興基金」活用のための調査・研究を進めることとなっております。
 また、昨年11月に認定されました「農業再生特区」につきましては、現在、地元において農地流動化計画の策定や新規就農者の受け入れ体制の整備を進めており、市といたしましても、これら取り組みに対する協力を行ってまいりたいと考えております。


 第5は、『参加と連携による都市づくり』の推進であります。

 性別や年齢を問わず、多様な市民参加の場づくりに努めるとともに、地方分権への対応を見据え、市民と行政による新たな相互関係を構築します。また、行政運営の改革や広域的な市町村連携事業を推進します。

 まず、地方自治体を取り巻く環境が大きく変化するなかで、少子高齢化や市民ニーズの多様化に対応するためには、市民、市民公益活動団体、事業者、行政がその特性に応じて役割を担い、それぞれが主体となって地域づくりに取り組むことが重要と考えており、その中心的役割を担う「都市経営会議」を設置し、市民の皆さまとともに「市民主体・市民協働のまちづくり」を進めてまいります。 

 市民の参加と連携による都市づくりを進めるためには、市民と行政の情報の共有が不可欠であり、今後も、財政状況あるいは行政評価に関する情報などを積極的に公開し、「市政の透明化」を進めてまいります。
 また、公共工事の入札及び契約の過程、契約内容の透明性・公平性の確保を図るため、入札に関する審査等を行い、意見を反映する第三者機関として「入札等監視委員会」を設置してまいります。
 さらに、地方債の公募化による資金調達手法であります「住民参加型ミニ公募債」の発行により、市民の市政への参加意識の高揚を図ってまいります。

 男女共同参画社会の実現につきましては、市民各層の幅広い理解と協力を得ながら、「ちとせ女性プラン」の見直しに向けた取り組みを進めるとともに、市民の意識啓発を図るための各種講座の開設や情報提供、女性団体の活動支援、相談業務等を行うための拠点の整備を図るなど、男女平等の理念に立った社会の実現に向け、積極的な取り組みを進めてまいります。

 行政改革の推進につきましては、地方行財政を取り巻く厳しい環境のなか、引き続き行財政改革を推進し、不要不急の事業の見直しや事業の重点化を図り、経費の削減など不断の見直し・点検を行い、喫緊の課題である財政健全化の取り組みを強化してまいります。
 また、民間活力の導入などによる職員数の見直しを行うとともに、職員の意識改革と組織の活性化を進め、職員の能力を最大限に生かした行政運営、簡素で効率的な市役所づくりに努めてまいります。

 行政評価につきましては、全事業を対象とした事務事業評価の継続と改善を図るとともに、新たに事前評価、施策評価の試行に向けた取り組みを進めるなど、行政評価システムの構築に努めてまいります。

 そのほか、行政サービス窓口機能として、本年4月に千歳駅西口の民間ビル内に諸証明交付等を行う「千歳駅市民サービスセンター」を開設し、市民の利便性の向上を図ってまいります。

 

(むすび)

 以上、新年度の市政運営と施策の大綱について申し上げました。
 現在、社会・経済システムは過去に例のないほど大きな変革期を迎えており、地方財政が大変厳しく先行き不透明の状況のなか、本格的な地方分権時代への対応が求められるなど、地方自治体の果たす役割はますます重要となってきております。
 この時代の要請に的確に応えていくためには、どちらかというと従来の行政主導の市政運営から市民主体の市政運営への転換を図ることが必要と考えており、自分たちのまちは自分たちの手でつくり上げていくという自立心を持ち、市民、市民公益活動団体、事業者、行政、それぞれが主体となる「市民協働のまちづくり」に取り組んでいかなければならないと考えております。
 そして、9万市民の幸せのため「活力が循環する都市(まち)」をめざし、「みんなで夢実現」に向かって全力を尽くしてまいります。

 市議会議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。